No.006 追憶 �� ページ6
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Aが人の心を失くしたのは、グリードアイランドをプレイするよりずっと前の、Aがまだガキと言えそうな歳だった時のことだ
その頃すでに念を習得していたのは俺だけで、必然的にリーダーとなり、4人でいろんな悪事を働いた
しかし俺たちは生まれついての悪ガキだったわけではない
そうしなければ生きていないような環境に産み落とされた俺たちに、運が無かっただけだった
俺たちが産まれたところは俗に言うスラム街で、殺人や強盗は日常茶飯事、警察などの機関は機能していないどころか見て見ぬふりをして通り過ぎていくばかりというとにかく生きるには適さない、最低の酷い街だった
俺たちはその汚い世界で、子ども4人だけで暮らしていた
俺とAは親の顔も知らない孤児で、バラは本当の親に捨てられた捨て子で、サブは虐待から逃げ出してきた子どもで、俺たちは出会ってすぐ、足りないものを補い合うように、寄り添って暮らしはじめた
家族なんていうものは、みんな知らなかったから、最初から居ないものだと思っていた
俺たちだけの秘密基地のような場所を自分たちで作り、そこで朝から晩まで寄り添って生活し、食べ物やお金はいろんな街から盗んでまわった
金も物も、盗まなければ食っていけなかったし、こっちから殺さなければ殺されていた
いま思ってもそれは仕方のないことだったのに、それでもAはかわいそうだと何度も泣いて、罪を犯してはいけないと俺たちを止めて、殺すことも盗むことも躊躇して、足を引っ張るならここに置いていくぞと怒鳴りつけたことも、数えきれないほどあった
結局俺たちが盗ってきたものを食っていたのだから、どれだけ泣いても共犯であることに変わりはないのに
そうやってお荷物扱いしていたAの倫理観がぶち壊れた日を、俺は今でも鮮明に覚えている
ちょうどAが、13歳くらいの夏だった
「おい、A」
「……ゲンスルー」
「なんだお前、どうした」
「殺す」
サブとバラがふたりで盗みに行っていて、珍しく俺がひとりで住処にいたところに、毎日のように行っていた隣町の図書館から、Aが帰ってきた
Aは本を読むのが好きな子だった
勉強熱心というか、本の虫というか、とにかく隣町の大きな図書館に毎日のように入り浸り、全て読破するのではないかという勢いでたくさんの知識を吸収していた
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ライ(プロフ) - カナさん» こちらも読んでくださってたんですね！ありがとうございます。楽しんでいただけたみたいでとても嬉しいです！ (2020年9月28日 10時) (
レス) id: 182c279fa9 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - 最期まで読みましたがとっっっても面白かったです！！！！ゲンスルーの作品中々ないので読めて幸せでした。もし続編があったら楽しみにしてます！改めて完結お疲れ様です！ (2020年9月28日 0時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ライ | 作成日時：2020年9月25日 10時
