No.005 作戦の確認 ページ5
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「おかえり、ゲンスルー！」
「ああ」
久しぶりに外に出られることになった俺は、3人のいる住処へと帰ってきた
嬉しそうな顔で俺に飛びついてきたAの頭を撫でてやりながら、サブとバラに目線をやる
「どうだった？おもしろそうか？」
「ああ。とりあえず次の選考会でお前らも来い」
「やった！」
にこにこと微笑んで俺を見上げているAの目は、久しぶりに見ても変わらぬ深い闇のようだった
「念能力見せればいいんだよな？」
「ああ。まあ、お前らなら受かるだろ」
「楽勝だな」
「次の選考会は、オークションと同じだから、半年後か」
半年後、仲間がやってくると言えば、ニッケスたちも何も言わずに仲間に引き入れてくれるだろう
しかしそれでは意味がない
「入ってからのことだが……A」
「なに？」
「お前、サブとバラから絶対に離れるな」
「離れないよ。どうして？」
「俺はいつも一緒というわけにはいかないからな」
「どういうこと？」
「俺は違う奴らを仲間と嘯くことになった」
「え、ねえそれってさ」
「なんだ？」
「ゲーム内ではゲンと一緒に居られないってこと？」
「そうだ。悪いが、俺とは他人ということにしてほしい」
「え？なにそれ。どういうこと？」
「作戦がある。俺たちが仲間だとバレるとまずい」
「ゲンが考えた作戦？」
「ああ」
「ふーん……わかった」
Aは少し考えるそぶりを見せたあと、その作戦の内容はひとつも聞くことなく首を縦に振った
サブとバラも、Aの後ろで力強く頷いている
細かい説明をせずとも、500億もらえる作戦を俺が考えたのだときいただけで乗ってくるようなこいつらが、本当の仲間だなと心から思う
ニッケスだのジスパーだの、人を殺したこともないような甘ちゃんの奴らは裏切る前提でしか動かねえよ
「じゃあ、他人のフリすればいい？」
「ああ。俺たちはお前らが入ってきたらすぐ声をかけるだろうが、初対面のつもりで接してほしい。できるか？」
「わかった。寂しいけど仕方ないね」
「時々抜けて会いに行く」
「ほんと？」
「俺が嘘を言うか？」
「私には言わない」
俺の前ではこんなにも華やかな笑顔を浮かべるAの心を取り戻してやりたいと、心の底から思った
頭を撫でてやると嬉しそうで、顎を少し持ち上げただけでキスしてもらえるのだとわかって目を閉じるのが、いじらしくてかわいくて、久しぶりの唇に何度も何度もキスを落とした
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ライ(プロフ) - カナさん» こちらも読んでくださってたんですね！ありがとうございます。楽しんでいただけたみたいでとても嬉しいです！ (2020年9月28日 10時) (
レス) id: 182c279fa9 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - 最期まで読みましたがとっっっても面白かったです！！！！ゲンスルーの作品中々ないので読めて幸せでした。もし続編があったら楽しみにしてます！改めて完結お疲れ様です！ (2020年9月28日 0時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ライ | 作成日時：2020年9月25日 10時
