【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ7)

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6話　子持ち昆布ページ7

ミツキ達は急いで小舟に乗り込み第七師団も迫ってくる中、なるべく早く陸から距離を取っていく。

アシ「見ろ！」

貴方『し…シャチが…』

白石「辺見をぶん投げてる！！」

杉元「何やってるんだ！？」

なんとも不思議なその光景に、ミツキ達はただ唖然とするしかなかった。

白石「第七師団だ！アイヌの舟を奪って追ってきたッ」

貴『どうしたら…』

杉元「なんのつもりにしても、食わねぇならこのスキに取り戻すしかねぇ！」

そう言って杉元が着ている衣服を全てその場で脱ぎ始めたので、ミツキは慌ててアシㇼパの両目をそっと手で隠す。
視線を逸らした先には白石の坊主頭が。

なんだってこんな頭をじっくり無言で見ないといけないんだ…と、ミツキは心の中で愚痴をこぼした。

白石「？俺の頭に何かついてるか？」

貴『……いえ』

杉元「止まるなよ！俺の心臓！」

そう言って杉元が大海原に飛び込んでいったのを見送った後、ミツキはアシㇼパの目を覆っていた手を離した。

しかし既に杉元のブツを見てしまっていたようで、彼女は静かに目を見開いていた。

貴『…きた』

暫くして、水中からプハッと顔を出した杉元がこちらの舟へ泳いでくるのが見えた。
が、同時に彼の後方からは、シャチと思われる生き物の背びれが追いかけてきていた。

白石「来るぞー！！杉元！早く！」

白石の怒号に続き、アシㇼパが大きな銛を構えてシャチの背びれ付近に投げ刺した。

アシ「引っ張られるぞ！掴まれ！」

その言葉と共に、再び舟は凄まじい勢いで引っ張られ進む。

…

暫く進んでいるとふとミツキが白い海水を見つけ、手を伸ばす。

貴『なんですかね、この白いのは…？』

白石「この白く染まった海水…全部ニシンのせいしだぜ」

貴『うえ…』

触んなくてよかった…
なんてことを思いながら手をサッと引っ込める。

アシ「せいし？」

白石「ニシンのメスが海草とかに卵を産み付けて、オスがせいしをかけるんだ」

アシ「せいし？」

貴『やめてアシㇼパさん…』

そんなやり取りをしていると、白石が流れてきたものを拾い上げる。

白石「お…いいものが流れてきたぞ、高級食材が」

貴『なんですかそれ？』

白石「昆布にニシンの卵がびっしりついてる。子持ち昆布だ」

貴『へ〜…よく知ってますね〜』

ミツキは興味津々といった様子で白石の手の中にある子持ち昆布を覗き込み、よく観察する。

白石「……近…ッ」

貴『すごいブツブツ…初めて見た…』