【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ38)

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37話　炎上ページ38

軽いパニックで頭が上手く回らない中剥製を引っ張り運んでいると、バンッと思いきり部屋の扉が開かれた。

尾形「チッ…やられたか。早くそこから出ろ」

尾形に腕を引っ張られ、ミツキはなんとか炎の中から廊下へと出ることが出来た。

土方「鶴見中尉の手下が来たということは、月島軍曹が生きて炭坑を脱出したと考えるべきか…」

尾形「だろうな。窓は鉄格子がある。外の連中にとっても突入するならば玄関以外は無い」

「連中を玄関まで追い込む」と尾形は言い、二階へ駆けて行った。
その後、土方が玄関へ発砲したが、すぐに突破されてしまう。

兵士「いけいけ！二階だ！二階の狙撃兵を倒せ！」

貴『く…あいつら中に…！』

その時、変な被り物をした兵士の一人が、土方に飛び掛かっていった。

貴『土方さん…！！くそ…っ』

土方へ助太刀しようとするも兵士の邪魔が入り、ミツキは向かってくる兵士へ発砲し牽制し続ける。

杉元「土方はどこだ！！」

聞き慣れた声に思わず振り返る。

貴『こっちです！』

そう言って杉元に土方の入っていった部屋を指差した。

杉元「そっちか！土方！！」

尾形が外へ発砲した後、皆に避難を促した。

杉元「行くぞ峰山、爺さん！」

そのまま炎で真っ赤に燃え盛る江渡貝邸を脱出し、土方の提案で二手に分かれて逃げることになった。

杉元「用心して、出来るだけ他の人間とは接触せずに移動した方が良い。土地の人間の目撃証言等を伝って追跡されるからな…」

貴『なるほど…』

アシ「！見ろ杉元、峰山。ヤマシギだ。山菜をとりに行くこの季節になると、ヤマシギはこの土地にやって来る」

杉元「美味いの？」

アシ「脳みそがうまい！」

貴『えぇ…？』

そんなやり取りをしている横で、尾形が銃を構える。

アシ「おい尾形、やめておけ」

尾形「…なんでだよ、食うんだろ」

アシ「一羽に当てられたとしても、他のが逃げてしまう。ヤマシギは蛇行して飛ぶので、その銃の弾じゃ当てるのは難しい」

貴『じゃあ、どうとるんですか？』

アシ「私達はヤマシギの習性を利用した罠を知っている。枝でヤマシギが通りたくなる通路を作って、括り罠をたくさん仕掛ける。罠なら皆の分もとれる」

それを聞いた尾形は、少し不満げにフンと鼻を鳴らしてそっぽ向いた。

貴『…ふふっ』

何を考えているか分からない男だと思っていたが、意外と子供っぽいのかもしれない。

そんなことを考えながら、アシㇼパの仕掛けた括り罠にヤマシギが掛かるのを待った。