27話 ケツとサイコロ ページ28
杉元の言葉にハッとしたミツキが男を引っ張ろうとするも、白石に抑え止められてしまう。
アシ「杉元もうよせッお前も引きずり出されるッ！」
杉元「コイツは暗号の入れ墨を持つ脱獄囚かもしれないんだッ」
"入れ墨"
その言葉に、その場にいた全員がハッとする。
あの今にも熊に食われそうな男が…？
その直後、キロランケがマキリを銃先に括り付けヒグマに突き刺し追い払い、杉元と従業員の男は室内にひっくり返った。
杉元「……違った…囚人じゃねえ」
貴『ぅ゛…っ』
聞いたこともない音を発する男の惨たらしい有り様に、ミツキは思わず顔を背け必死に吐き気を抑えた。
白石「…っまったく、キツいぜ…」
貴『…』
そう言い、ふと白石の腕に力が入るのを感じ取る。
状況がこんなでなければ、もう少し喜べたというのに。
ん？喜ぶ？
杉元「ここに銃は？」
キロ「無いみたいだ」
白石「アシㇼパちゃん弓矢は？」
アシ「…弓は折れた。毒矢は赤毛に襲われて全部森で落とした」
貴『アシㇼパさんまで…？』
白石「何やってんだよこのドジッ！…！？う゛っはん…ッ」
白石からの叱責に"お前が言うな"とでも言いたげに、アシㇼパは自身のわらぐつを白石の顔面に投げてぶち当てた。
…
それから話は室内に置かれた二つの生首へと変わる。
怪しい男二人は若山、仲沢と名乗り、なんやかんや若山がヤクザの親分だと分かり丁半をすることに。
白石「サイコロを調べさせろ！！」
白石にそう言われた若山がポイッと乱雑にサイコロを放り投げ、サイコロは座卓の下へと転がっていった。
白石「おっと…」
若山「…」
貴『？』
この人、もしかして白石さんのケツ見てる…？
んな訳ないか…
白石「…あったあった」
貴『白石さん半ケツ見えてますよ…』
白石「え？ヤダ〜ウソッ見ないでぇ？」
そう言い頬を赤く染める白石に、ミツキは呆れ気味に溜息をついた。
その後白石がサイコロに仕掛けが無いか確認し、杉元が口を開く。
杉元「その前に、仲沢さん…あんたも脱げ」
仲沢「あ……は、はい…」
仲沢は服を脱ぐと「よろしいでしょうか…」とオドオドした様子で尋ねる。
……毛が…
アシ「うるるる……っ」
杉元「汚いちくびをアシㇼパさんに見せんじゃねえよ！怖がってんだろッ」
貴『…毛が……』
白石「何だそのちくびは！！早く隠せ！！」
キロ「ふざけたちくびしやがって！！」
仲沢「は……はあ…そうですか…？」
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作者名：ちあきんぐ | 作成日時：2024年2月25日 22時
