【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ25)

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24話　海豹の衣服ページ25

アシ「フチの家に伝わっていたものなら、私にとっても大切なものだ。私が買い戻してくる」

キロ「それで、誰に売ったんだ？」

アシ「この近くで牧場を経営する、エディー•ダンというアメリカ人だそうだ」

白石「アメリカ人！？」

…

その後コタンで一泊し、翌日。
ミツキ達はコタンから離れ、例のアメリカ人のいる牧場へと来ていた。

アシ「事情は話したはずだ。そっちが払った三十円は返す」

ダン「…三十円？百円じゃなかったかなあ？」

杉元「ダンさんよ、戦争ってどういう時に起こるか…知ってるかい？
舐めた要求を吹っ掛けられて、交渉が決裂した時だ」

貴『ひえ…』

笑みを浮かべてはいるが殺気を放つキロランケと、今にも切りかかりそうな杉元の発言にビビりつつ、ミツキには固唾を飲んで見守ることしかできない。

ダン「…モンスターを斃せたら、三十円でアザラシ皮の服を返そう」

白石「も…もんすたー？」

丁度その時外にいたであろうダンの仲間が、慌てた様子で部屋に入ってきて、「また出ました！」と叫んだ。

…

全員外に出て確認しに行くと、馬の代わりに、残された血痕が森へと続いていた。

アシ「この足跡は…」

白石「あそこになんかいるぞッ！！」

白石がそう言って指差した方向の先には、馬を背負った赤毛の熊が歩いていた。

貴『熊って獲物を背負ったりするんだ…！』

アシ「杉元撃て！弓じゃ届かない！」

杉元「シライシどけッ」

白石「わっ」

貴『あ！アシㇼパさんがッ』

アシ「ケツー！！」

杉元の銃口を避けようと白石が後ろに下がるもアシㇼパに引っかかり、そのままアシㇼパは白石の尻の下敷きになってしまった。

キロ「かすめた程度だな。驚いて逃げてしまった」

杉元「クソッ」

貴『アシㇼパさん大丈夫ですか！？』

白石「ご…ごめぇん…」

キロランケと杉元がそう話す横で、ミツキは慌てて恥ずかしそうに赤面する白石をアシㇼパの上から退かせた。

…

その後アシㇼパはアザラシ皮の衣服と引き換えに、先程見た赤毛のヒグマを斃すという取引を受けた。

アシ「白石はついてくるな。ドジだし邪魔なだけだ」

白石「…」

貴『プッ』

アシ「お前もだぞ峰山」

貴『え゛』

アシ「銃もないのにワイワイついてこられても足手まといだ」

貴白『クーン…」

そうお叱りを受けてしまい二人がしょぼくれる中、ダンの仲間の男が口を開く。

男「この森を南へ出ると、誰も使っていない農家がある。
勝手に休んでもかまわんだろう」