【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ23)

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22話　シラッキカムイページ23

白石「誰が狐女だ、無礼者！インカラマッ様と呼べ！」

アシ「息がクサイ…ッッ」

貴『その頭どうしたんですか…』

白石「おうおうミツキちゃん、あとでなんか美味いもん奢ってやるぜぇ？なんたって俺にはインカラマッ様がついてるからな！」

貴『クッ…鼻が曲がるッッ』

あまりの息の臭さにミツキは、距離を詰めてくる白石の顔をグイッと手で押し退ける。

キロ「次に勝ちそうなのは三番か四番だな…」

白石「キロランケも占いやるの？」

キロ「俺は小さい頃から馬に乗って育った。馬に詳しいから、日露戦争でも工兵部隊の馬の世話を任されていたくらいさ」

イン「確かに狐の頭骨も三番が勝つと示してます」

白石「三番ですね！買ってきまーす！」

そう言って白石は、杉元から止められるもそのまま券を買いに走って行ってしまった。

それから少しして、白石が券を買いに行っている間姿の見えなかったキロランケが、髭を剃ったような姿で現れた。

貴『え』

杉元「誰？」

白石「もしかして…」

キロ「お前ら、俺に賭けろ」

アシ「髭が…」

キロ「細かい話は後だ。最終レース三番の馬に乗る。俺が勝つぜ！」

それにしても髭無しのキロランケさんは新鮮だ…

ミツキ達は綺麗に剃られたキロランケの顎に手を当て触る。
その後、隣の方でまた白石がインカラマッに占ってもらっていた。

白石「迷える私めをお導きください！」

イン「わかりました」

狐の頭骨は、よくない兆しを示した。

イン「シラッキカムイが、三番は勝たないと示しています」

アシ「…白石、もうそこまでにしておけ。占いというのは、判断に迷ったときに必要なものだ。私達のこの旅に迷いなんかない。だから、占いも必要ない」

白石「……」

貴『…白石さん？』

なんだか急に元気がなくなったのか、白石は地面に突っ伏したまま黙ってしまった。

イン「シラッキカムイは六番が勝つと示しました」

その言葉にガバッと立ち上がると、
「六番ですね！全額賭けてきまーす！」と血走った目でそう言って券を買いに行こうとする。

杉元「白石！このやろ！爆薬の金くらい残しておけ！」

白石「嫌だー！俺は勝負するんだ！インカラマッ様ー！買ってきてー！」

イン「わかりましたー」

貴『えぇ…』

アシ「まて！！」

白石から渡された数枚の札を手に、インカラマッは代わりに買いに走り去っていった。

白石「いたいっ！ミツキちゃん！たすけて！！」

貴『まったく…一度痛い目みないと分からないんですか？』