【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ17)

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16話　ホテルページ17

五人は爆薬を買うため"三田火薬銃砲店"と書かれた看板の下をくぐり店に入った。

貴『見て見てアシㇼパさん、この銃かっこいいよ』

アシ「すごいな、これは…ん、重い」

そう言って銃を構えるアシㇼパに、「似合ってるー！」とパチパチ拍手するミツキ。

杉元「アシㇼパさんそんなの触っちゃダメだよッ峰山も余計な事すんな！」

貴『えぇ〜…』

白石「なあ店主、近くに宿はないかな？長旅で疲れちまって…」

店主「古いホテルなら一軒あるよ。いつのまにか経営者が若い女将に代わっててね、これがなんとも色っぽくて〜」

その情報を得た白石は鼻の下をこれでもかと伸ばし、店主にホテルの名を聞いた。

貴『……』

白石のやつ、節操がないというか…
コタンを出る前は杉元にあんなこと言ってたくせに…

まあ、"恋人"というのは白石が勝手に考えた嘘の設定だし、良いんだけど…

良いんだけど……

アシ「どうした？変な顔してるぞ」

貴『…なんでもないです』

白石「よおし、札幌世界ホテルとやらに行くぞ！」

ミツキのそんな心境など知らぬ白石は、呑気にそう言って店を出た。

…

貴『おお…本当に綺麗なホテル……』

"札幌世界ホテル"と書かれた看板があるためホテルで間違いないのだろうが、その立派な外観に圧巻され、思わずゴクリと喉を鳴らしてしまう。

杉元「すいませーん、誰かいますかー？」

ホテルの入り口から入ってすぐ、中の綺麗さに心がワクワクと躍る。

貴『すごい…心なしか花の良い匂いがするような…！』

ミツキがスンスンと猟犬のように匂いを嗅いでいると、
入り口の目の前にある階段から、
「いらっしゃいませ」と言いながら一人の女性が降りてくる。

貴『この人が女将…？』

予想以上に美しい容姿と身なりだ。声も鈴の音のように可憐で可愛らしく、服装、髪型、化粧と、どれを取っても完璧に感じる。

私も負けていない……
はずだ…

そんな彼女に対しちょっとした嫉妬心を芽生えさせていると、白石が家永と名乗った女将に手を差し出した。

白石「白石由竹です。独身で彼女はいません。
付き合ったら一途で情熱的です！」

貴『おま……っ』

自分で決めた設定を守れよ！杉元達に怪しまれるぞ！と、何故だか少しムキになってしまうミツキと、やはり発言の矛盾に気付いた杉元が反応する。

杉元「"彼女はいません"？白石、お前何言ってんだ？」

アシ「サイテーだな、白石…」

白石「…あ゛」

貴『…はぁ……』