【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ2)

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1話　出会いページ2

貴『うーん……今日は天気良いかも…』

ミツキは家の周辺に溜まった砂利やら木の葉やらを、いかにも即席で作りましたと言わんばかりに先っぽがボサボサの箒を使って掃いていく。

そんなことをしていると、家の反対側から牛山が鍛えているような声が漏れてくる。

貴『牛山さん今日も頑張ってるなぁ…』

土方の紹介で初めて会った時は「抱かせろ」と言われものすごく警戒したが、いざ関わってみると優しくて紳士的な良い人だった。
今では少しだけ冗談を言えるような仲にまで落ち着いている。

そんな過去の出来事をのんびり振り返っていると、いつのまにか彼の声は聞こえなくなっていた。

貴『中に戻ったのかな…お茶でも出そ』

そう思い、ミツキが家の玄関の扉の取手に手をかけたその時──

──ガシャアンッ

なにか窓を突き破ったかのような凄まじい音が辺りに響いた。

貴『な…なに？！』

牛山「関節を外して逃げるとは！」

あれは牛山さんの声だ…！

慌てて音のする方へ走るとそこには、坊主頭の見知らぬ男に技をかける牛山の姿があった。

貴『う…牛山さん！？』

牛山「凶器は卑怯だぜ、白石クン」

だめだ、こちらの存在に全くと言っていいほど気付いていない。
まあ、どのみち私では何の役にも立てないのだけど。

そんなことをひとり思っていると、後ろから頭にポンと手を置かれた。

土方「下がっていろ」

貴『！土方さん…！』

優しい父親のような唯一の存在。
ミツキはそんな彼に、会えて嬉しいとでも言うように目を輝かせる。

土方「殺すな、牛山。
…よくここが分かったな、白石」

白石「…土方歳三…！！ゴボ…ッ」

鼻血を垂らしている"白石"と呼ばれた男は、牛山の重い一撃で撃沈させられてしまった。

貴『い……生きてますよね…？』

土方「当たり前だ。さあ、茶を淹れてくれるかな？」

ミツキは「只今！」と元気よく返事をし、家の中へ慌ただしく駆け足で上がった。

…

白石の手当てを軽く終え、湯呑みに急須で茶を注いで永倉と土方、牛山と白石の側にそっと置き、ミツキは部屋を出ようと引き戸に手を掛けた。

土方「待て。お前も聞いていけ」

貴『……はい』

まさか刺青人皮探しをしてこいなんて言わないよね、土方さん…？
そう不安に思いながらも、素早くその場に正座する。

白石「ところで、あんたってこんな若くて可愛い娘さんいたのぉ？歳の割にすみにおけねぇ人だ」

土方「……戦友の忘れ形見だ」