伍拾漆話「知られてしまった」 ページ11
炭治郎side
俺の言葉に、一瞬息が詰まる音が聞こえた気がして──気付いたら、俺は月凪さんに胸倉を掴まれて縁側の柱に押し付けられていた。
炭「うぐっ……!!」
は、早い……!!
少しも見えなかった…!先日の機能回復訓練の時でも全然目で追えなかったのに、あれでもまだ本気を出していなかったのか…!!
「…いる」
炭「ッえ…?」
「何故お前が、その事を知っている…!答えろ!!
答えなければ、首をへし折る事も厭わない。
隊律違反など知るか、元より俺は辞めるつもりだった」
炭「ッグゥ……!!」
ギギ、と一層力を込められ息が詰まる。
物凄い力でふわり、と爪先が浮いた。
まだ会って半年も経ってないが、こんなに激情を露わにする月凪さんは初めて見た。
グ、と月凪さんの腕を掴んでもビクともしない。
これが、柱の力か…!
炭「違、うんです…!貴方、と金月さんの、匂いが家族の様に、似てたから……もしかしたら、血縁関係、にあるんじゃ、無いかと…思って……!」
その言葉に、月凪さんはハッとしすぐさま胸倉を掴む手を離してくれた。
ズルリと柱にもたれ掛かり、喉元を抑えゲホゲホと咳き込む。
すると、月凪さんが徐に俺の両肩に手を置いた。
炭「ッ…?月凪さ」
俺が言い切る前に、月凪さんは俺の両肩に手を置いたまま膝をついて床にしゃがみこんだ。
俯いたままの為、その表情は伺えない。
ただ、強い懺悔の匂いはする。
「違うんだ、違うんだよ…俺は姉ちゃんに、鬼殺隊何か入らないで幸せに生きて欲しかった……良い旦那でも見つけて笑って欲しかった…。
それなのに、漸く会えたと思ったら愛柱とかいう奴に嵌められて、本当の笑顔は見れなくて……。
もう俺は、どうしたら良いのか分からない…っ。
───姉ちゃん……ッ」
それは、紛れもない月凪さんの本心からの言葉だった。
いつもの冷静な口調とは少し違う、まるで迷子の子供の様な。
……そうか、月凪さんは自分が一番嫌いなんだ。
姉を守れなかった自分が、弱い自分が。
だからこそ、自分を傷付ける事で自分を保っている。
そんなの、悲しすぎるだろう。
月凪さんは何も悪くない。
ただお姉さんと一緒に生きたかっただけなのに。
炭「……。」
スッとしゃがみこみ、無言で背中を摩った。
俺は貴方の事をまだ全然知らない。
でも、これからはどんどん知っていきたい。
──微力ながら、貴方の味方になりたい。
◇◇◇
あれおかしいな、作者が腐脳だからかどうしても別の物に見えてしまう…┌(┌^o^)┐
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きーねちゃん(プロフ) - みかんといちごさん» テンキュー!はいごみ収集車にぶちこむぜ☆オルァ! (2020年8月8日 0時) (レス) id: a598922371 (このIDを非表示/違反報告)
みかんといちご - きーねちゃんさん» はーい!ニクマン\(^-^ )ブンッ (2020年8月8日 0時) (レス) id: 085b083a26 (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - kiki11241さん» なる……予定です!(おい)すいません頑張ります! (2020年8月5日 20時) (レス) id: d6c0176894 (このIDを非表示/違反報告)
kiki11241(プロフ) - あれ本当に杏寿郎オチかな? (2020年8月5日 19時) (レス) id: 3664f0360e (このIDを非表示/違反報告)
きーねちゃん(プロフ) - みかんといちごさん» へいパース!僕今ならゴムの手袋を五万枚重ねてるんで大丈夫でーす! (2020年8月4日 22時) (レス) id: a598922371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハルサ | 作成日時:2020年7月9日 18時