ご覧ください、こちらが悪女になりきれてないの図です

ただ、純粋な笑顔と儚い瞳をしていた ページ19

釘崎side




家入「にしても、ひどい傷だな…」



私達は今、保健室にいる





隣には硝子さんの言う通りひどい傷を負った柚麻が座っていた





この傷を負わしたのは、、





親友、だと思っていた



…………Aだ




家入「さて、治療も終わったことだし…聞かせてもらってもいいか?無理にとは言わない」




たぶん、Aとのこと…よね



確かに、私も何でこんな状況になっていたのかは聞いてなかった




柚麻「………Aちゃんとも、始めのほうは仲良かったんです、」



そう、Aは誰とでも仲良くしていた。たまに変な話し方をするときがあったけど、根はいいこだった。


のに、、




柚麻「けど、最近は私にだけ、、私がみんなと話していると凄い睨んできたり、、話しかけてもっ、無視、されたりっ…」ｸﾞｽｯ




そう言って柚麻は泣きだしてしまった。

私の大切な友達をこんなにも傷つけたAにたいして、ふつふつと怒りが込み上げてくる






でも、、




柚麻「今日っ、教室に呼び出されて、ｸﾞｽ
、“あんたなんか、消えてしまえばいい”って、、“私がヒロインなのに”って、、ﾋｯｸ」



Aにたいする怒りの中で、本当にAがこんなことをしたのかって疑う冷静な私もいた




先生達が来て、私も少し冷静になっていった



柚麻が心配で何気なく顔を見てみた




私は驚いた




だって、さっきまで泣いていたのにどうみても柚麻は、、







………笑っていた






まるで、おもちゃを買ってもらえて素直に嬉しそうな子供みたいに、楽しくて楽しくてしょうがないとでも言いたげに。



咄嗟に五条に引っ張られていくAの顔を見た




私はまた驚いた、



あいつは、…Aは、







ひどく、優しい瞳をしていた





何かをいたわるような、とても、安心したような、落ち着いた、ただただ優しかった





私は、分からなくなった






家入「………それで?」

柚麻「気づいたら、血だらけになってた…すご、く、痛くて、、怖くて、、、」ｶﾀｶﾀ





隣で震えている柚麻を見て、私は思った






私は、あんたが、






柚麻が一番怖いわ、と。

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