一人の園 ページ10
｢…まま｣
｢どうしたの？｣
｢わんちゃん、倒れてた。苦しそう｣
｢それは助けてあげなきゃね…どこで見た？｣
｢家をでて、ちょっとあるいたところの木の下。｣
｢分かったわ、一緒に行きましょ｣
私の母は優しかった。誰とでも平等に、たとえ悪魔でなくとも。すごく慈悲深い人だった。
｢…ぱぱ、ケガしちゃった｣
｢…これは酷いなぁ、ちょっと待ってろ｣
そう言った父は絆創膏をケガをした所に貼ってくれた。
｢これで大丈夫だ！あんまりケガするとママが悲しむからな、はしゃぎ過ぎないように！｣
｢うん！｣
父もそうだ。きっと二人は優しかったから抵抗もせずに殺されてしまったんだ。何も悪いことはしていないのに。
｢…私は父と母を殺した｣
そう新しい家族に言ったら悪童の園へ入れられた。義兄は｢気持ち悪い｣、義母と義父からは｢死んでしまえ｣と罵られたから園に入ったのはあながち間違ってなかったのかもしれない。
｢…｣
園でも一人、先生の指導に耐えながら泣いていた。辛かった。悲しかった。…でもそれを打ち明けられる相手は誰も居ない。
その思いを募らせて｢もう無理だ｣と思い、園の崖へ身を投げようとした時、腕を掴まれた。…あれは誰だったっけ。
＿＿＿＿
｢…起きた？｣
｢…んん…｣
眩しい光が入って思わず目を擦る。
｢結構寝込んでて大変やった、額は痛くない？｣
｢…大丈夫です｣
何か夢を見ていた気がするけれど思い出せない。
｢ずっと魘されててな、入間くん達も心配しとったで｣
｢…お、礼を…｣
｢ダメや、起き上がったら…もう少し寝とき｣
…頭に包帯を巻いた男の子。
｢…きっとそれは、僕や｣
｢頭に片方だけ欠けた角なかったか？｣
｢ありました、不思議だなとは思いつつ｣
先輩の頭を見ると片方欠けていた。
｢…もしかして私のペンダントの横にあるのは、先輩の角？｣
｢かもなぁ、僕も園に行ってたし…まぁそこで芽生えたんやけど｣
｢何がですか？｣
｢絶望した顔に興奮するようになった｣
｢思い出したわ、Aちゃんが崖から飛び降りようとした時の顔見て｢これは掴まなあかん｣って思ったんや｣
｢…先輩が、私を…｣
｢過去の夢見て魘されてたんやな、それは辛いはずや、今日作るのは僕と似たようなので良いんやろ？｣
｢はい、尚更お揃いが良くなりました｣
＿
その頃入間達は
『入りずらい…っ！』
部屋の扉を少し開け、そう思っていた。
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アイリ - 続き楽しみにしてます！ (2020年2月25日 18時) (
レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - あ、ありがとうございます！面白かったです！ (2020年2月25日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
沫梨(プロフ) - アイリさん» コメありがとうございます！結婚式ですね！了解です！ (2020年2月24日 20時) (レス) id: 175b7a0ad4 (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - 夏祭り面白かったです！リクエストよろしいでしょうか？結婚式よろしくお願いします！これからも頑張ってください！ (2020年2月24日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
沫梨(プロフ) - スイカバーガチ勢野坂さん» 遅れてしまい申し訳ありません！夏祭り了解しました！！コメありがとうございます！ (2020年2月20日 21時) (レス) id: 175b7a0ad4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沫梨 | 作成日時：2020年1月5日 10時
