.2 ページ34
｢…私の…？恋人とか？｣
｢はい、正真正銘の"恋人"ですけど｣
｢う…｣
｢分かったらお帰りください、今すぐに｣
女子二人はまた私を睨んで早歩きをして帰って言った。…やっと帰れる、そう思って手を離そうとした途端、物凄い力で握られた。
｢…離してもらえません？｣
｢なんで？｣
｢いやだって…繋いだのはその場しのぎですから｣
｢もうこのまま帰ろ、僕の家来て＿＿＿｣
放心している間に先輩はあれこれ喋りだす。
｢え、ちょっと｣
｢あココア欲しいんやったな、買うから…頼むわ｣
子犬のような目で見られ、手を絶対に離そうとしなかった。何この人どうしたの。
｢…別にいいです、帰ったらおじいちゃんに買ってもらうので｣
｢嫌や｣
即否定された。そうして引き摺られ、結局大きな＿大きすぎる先輩の家に足を踏み入れる事になってしまった。先輩のお母さん怖いしご兄弟の皆様はどう思われるのだろうか。
＿＿＿
｢…あ｣
玄関前でおじいちゃんに電話をしていないのを思い出した。
｢先輩、家に電話を｣
｢…少しだけな｣
先輩は繋いでいた私の手を離した。結構痛いんですよ。
｢…おじいちゃん｣
｢何時になったら帰ってくるの！！もうご飯食べようと思ってたところなのにっ！｣
明らかに怒っている。電話の奥からでも分かるほどぷんぷんだ。
｢…えっとね、先輩の家に泊まることになっちゃって｣
｢う、嘘ぉ…寂しいよおじいちゃん！！入間くんいるけどAちゃんも居なきゃやだぁぁぁぁ！｣
私は子供を相手にしているのか。
｢明日帰るからさ｣
｢…わかった、部屋金ピカにして明日玄関で待ってるからねｯｯｯｯ！？｣
｢うん｣
電話はぷつっと切れて、鞄に入れようとしたら先輩にひったくられた。
｢返して下さいよ｣
｢だーめ、今日一日連絡とかするの禁止｣
｢…は？｣
｢僕と話しとるだけでええやろ？Aちゃんは"僕の"なんやから…｣
私の頬を優しく撫でる。さっきの仕返しですか。
この前風邪の看病もしてもらったし…仕方がない。
｢…今日だけです、泊まるのは｣
｢えぇ…週一はダメなん？｣
｢さすがに…｣
部屋に行くや否や、爆弾発言をした。
｢ポッ〇ーゲームやらへん？｣
｢もうほぼキスですよね、やめっ｣
最近先輩が強引になってきています。誰か助けて。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 330人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アイリ - 続き楽しみにしてます！ (2020年2月25日 18時) (
レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - あ、ありがとうございます！面白かったです！ (2020年2月25日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
沫梨(プロフ) - アイリさん» コメありがとうございます！結婚式ですね！了解です！ (2020年2月24日 20時) (レス) id: 175b7a0ad4 (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - 夏祭り面白かったです！リクエストよろしいでしょうか？結婚式よろしくお願いします！これからも頑張ってください！ (2020年2月24日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
沫梨(プロフ) - スイカバーガチ勢野坂さん» 遅れてしまい申し訳ありません！夏祭り了解しました！！コメありがとうございます！ (2020年2月20日 21時) (レス) id: 175b7a0ad4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：沫梨 | 作成日時：2020年1月5日 10時
