ココアとコンポタ ページ33
練習の合間、休憩で自販機へ行った。
「…寒いですしココアにしましょう」
「そこはココアやなくてコンポタやろ?」
「両方好きですが今日はココアの気分なんです」
だったらもう、2つ買えばいいのではと思うだろうが変なプライドが引き金となり言い合いに発展。
「ココアの方が温まるんですよ、分かりませんか」
「そっちこそコンポタの方が温まるって分からんの?コーンも入っとるし甘くてええやん」
「…コンポタを飲んだあと、口が不思議な感覚になるので基本的にはココアで」
「んー、あのぉーどいてくれませんかぁ?」
夢中で気が付かなかった。後ろには二人の女子。
「…すみません、今すぐ退きま___」
「うっわぁ!!美青年!!」
「本当のイケメンがまだいたなんて!私らは幸せだね!!」
私の謝罪など聞こえていないかのように叫ぶ二人。帰ろうとしていたのか他の生徒もちらちら此方を見ている。
「お名前をお聞きしたいのですが!」
「え、えぇけど…」
「その次には___!!」
怒涛の勢いで話進める女子達に先輩は焦っていた。目で「助けてくれ」と訴えてきたけれど、今会話に介入したらどうなるか分かったもんじゃない。
でも助けなければ。こっちの予定を潰されては困る。
「あの、これから予定があるので先輩を返していただけないでしょうか」
「部外者は黙ってなさい!」
え、私部外者なんですか。嘘でしょ。
「ならあんただけ帰ればいいんじゃないの?私らは重要な質問をしてるんだからさ」
ほぼ個人情報を引き出しているようなものでは?
言葉に詰まった私はその後の光景をじっと見ていて気づいた事がある。
時折彼女達は私を睨む。「早く散れ」とでも言っているようだ。私もこんな所からさっさとおさらばしたいけど先輩がいなければ練習の続きも出来やしないから開放されるのを待つしかないのだ。
それから数十分。
「…っはぁ、さっきからあんたなんなの?早く帰れば?」
「いや、だから予定が」
「一人で行けば良くない?どうせ大した用事じゃないでしょ」
貴方達こそ先輩の情報をそんなに引き出してどうするんだ。
「ごめんなさい」
「…は?」
先輩の肩やら腕に絡んでいる手を引き剥がし、
「先輩は"私の"です」
恋人繋ぎを見せつけてやった。
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アイリ - 続き楽しみにしてます! (2020年2月25日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - あ、ありがとうございます!面白かったです! (2020年2月25日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
沫梨(プロフ) - アイリさん» コメありがとうございます!結婚式ですね!了解です! (2020年2月24日 20時) (レス) id: 175b7a0ad4 (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - 夏祭り面白かったです!リクエストよろしいでしょうか?結婚式よろしくお願いします!これからも頑張ってください! (2020年2月24日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
沫梨(プロフ) - スイカバーガチ勢野坂さん» 遅れてしまい申し訳ありません!夏祭り了解しました!!コメありがとうございます! (2020年2月20日 21時) (レス) id: 175b7a0ad4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沫梨 | 作成日時:2020年1月5日 10時