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鬼狩り9 ページ9

〜貴方サイド〜



私は鬼舞辻無惨と同じ、平安の世に生まれた『鬼の始祖』。


一番最初に鬼になった者……。


いや、二番目かな? 鬼舞辻とどっちが先だったんだろう。


なぜ鬼になったかは不明。多分、私を看病していたお医者さんが調合した薬のせいだと思う。


鬼舞辻も、同じ人に診てもらっていたらしいから。



私が日の下に出られない体になっても、両親は受け入れてくれた。


あの時代の貴族にとって、娘は政治の道具……けれども、両親は私を愛してくれていた。


それなのに鬼舞辻は、私が自分と“同じ体質”であると知るや否や、吸収し取り込むべく屋敷を襲ってきた。


両親は殺され……私はその怒りで暴れた。


だけど、止めを刺すには至らなかった。


それからというもの、私は鬼舞辻を殺すために生きている。


奴に勘づかれると厄介なので____人間に擬態しながら。



……鬼舞辻は何が目的なのか、今も同族を増やし続けている。


そして同族にされてしまった者は、二度と人間に戻れないし鬼舞辻に逆らうこともできなくなる。


いわゆる、呪いってやつだ。


例外はいて、私は自力で鬼舞辻の呪いを解いた鬼を知っている。直接会って話したことはないけど。



貴方「………よし」



私は荷物を簡単にまとめた。この町を出るために。


本当はもう少し、束の間の平穏な暮らしを楽しもうと思っていたけど。事情が変わった。


もう時間をかけて確実に鬼舞辻を討とうなんて、生温いことを考えるのはやめる。


時間はかけない。すぐにでも機会を掴んで、確実に殺してやる。


そのためにも、日輪刀と____“彼ら”の力が必要だ。


貴方「行こう………『最終選別』へ」


戦国時代以来距離を置いていた、鬼殺隊。


そこに滅ぼすべき対象である鬼は入れない。


だから、人間として加わる。


貴方「炭治郎……禰豆子ちゃん……」


家の前の墓から、二人の気配は感じられなかった。けれど、今どこにいるかはわからない。



彼らがどこかで無事でいることを祈って、私は住み慣れた家を後にした。

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サリア(プロフ) - きのこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年3月2日 11時) (レス) id: 5231526d40 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - この作品超好きです!!更新頑張って下さい! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 45b1b66d37 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - ふ ろ ふ き 大 根さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!(*´∇`*) (2020年2月28日 19時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
ふ ろ ふ き 大 根(プロフ) - ストーリーめっちゃ好きです!!続き楽しみにしてます( ・∇・)更新がんばってください!! (2020年2月28日 16時) (レス) id: cfd0445662 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!神作品だなんて…嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年2月27日 23時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サリア | 作成日時:2020年2月26日 15時

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