偽の天馬 ページ3
〜剣城side〜
剣城「天馬……」
天馬？［………((ﾆｺｯ］
どれだけ探しても見つからなかった、久しぶりに見る顔。
俺は小さく呼吸を整えて、彼の目の前まで歩み寄る。
夕焼け空の光に照らされながらその場に佇む天馬は、どこか儚げな印象を持たせた。
天馬？［俺の何を知りたい？ 言ってごらん］
天馬がそう口を開く。どこか機械的な口調で。
その言葉を聞いた途端、俺は急に気持ちが冷たくなっていくのを感じた。
＿＿＿＿やっぱり、こいつは天馬じゃない。
本物の天馬は、発する言葉一つひとつに感情が乗っている。喜怒哀楽、すべてがとてもわかりやすいやつだ。
こいつは言うなればロボット。天馬の姿形をしているだけのサイボーグのような存在。
どれだけ姿を似せたところで、オリジナルに敵うわけがないだろう？
美しい輝きを放つ本物のダイヤモンドの価値に、ガラスでできた量産型の偽物が勝てないのと同じこと。
剣城「………お前に聞きたいことなんてない」
俺はそう言って、目の前の偽物を睨みつけた。
剣城「俺はずっと、本物の天馬を探している。
あいつがいたから今の俺がいる。本当のサッカーを、心から楽しむことができている。
そして、魔人に殺されかけていた俺を助けてくれた。
天馬には……それだけの恩があるんだ」
偽の天馬は何も言わない。ただ微笑んでいるだけ。
剣城「だから俺は……自分の手であいつを探してみせる！
お前を倒してからな！！」
俺はそう叫んで剣を出現させ、鋒を彼へ向けた。
もう迷いは無かった。こいつから得る情報など要らない。問答無用で斬りつけ、真の敵を誘い出す……それだけだ。
だが次の瞬間、偽の天馬は再び口を開いた。
天馬？［＿＿＿＿剣城は、救われたいと思わないの？］
剣城「……なに？」
意味深、そして不可解な言葉に、剣を振り上げようとした手を止める。
質問すれば答えてくれる＿＿＿＿それが『キラキラ様』のウワサ……のはずだ。
それなのに、なぜこいつが自分から喋りだす？ 俺を動揺させようという算段か？
俺はこいつと周囲への警戒を解かず、一歩踏み出す。
＿＿＿＿その間にも、天馬は喋るのを止めなかった。
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サリア(プロフ) - ありがとうございます(*ﾟ▽ﾟ*) 頑張ります！ (2020年2月15日 0時) (
レス) id: 24cae498c7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続編おめでとうございます！頑張ってください (2020年2月14日 23時) (レス) id: 6f84bfc0dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サリア | 作成日時：2020年2月14日 16時
