駆けつけると ページ9
〜浜野side〜
俺は行く手を阻む連中を相手に戦っているうち、急に不安な気持ちに駆られてきた。
神童も剣城も強い。俺がいなくたって、『キラキラ様』とやらの正体が魔人なら問題なく倒せるはず。
それなのに嫌な予感がした。虫の知らせ、というやつだろうか。
いてもたってもいられない。しかし先に進めない。
痺れを切らした俺は、神童に言われたことを破る覚悟で、絵馬に名前を書いた。
そうして駆けつけると、そこは完全な異空間が広がっていた。しかも……
カラフルな色をした巨大な馬のような化け物が、あちこちを破壊しながら暴れ回っている。
浜野「魔人か！！」
すぐにそう思った。そして次に、近くにいるであろう神童と剣城を探す。
2人は＿＿＿＿いた。
けど……様子が明らかにおかしい。
神童は焦っているし、剣城は倒れ伏したまま動かない。
……え？ 動かない？
浜野「ま、まさか……！」
考えが悪い方向へと流されていく。
ここに駆けつける前から嫌な予感がしていたことも相まって、ネガティブ思考に陥っていた。
君らしくもないと、速水が聞いたら笑うだろうか。あいつは今ここにいないけれど。
とにかく2人を助けなければと、俺はすぐに弓を構えて矢を放った。
矢は魔人に命中し、俺はヤツが怯んだ隙に2人のもとに走り寄る。
浜野「神童！ 剣城！」
神童「浜野……すまない、助かった」
神童が剣城を抱えながら言う。
俺が来たことにも、神童に背負われていることにも気づかない、見るからにぐったりとした剣城。
そのソウルジェムは……濁っていた。
いつも綺麗な赤い輝きを放つ石が、見たことがないほどに黒く……
浜野「……？」
あれ？ 見たことがない……？
・
＿＿＿＿だったら、この“既視感”はなんだ？
・
一瞬思考回路が固まり、慌てて首を振った。
こんなこと、考えている場合じゃなかった。
浜野「なあ、剣城は魔人にやられちゃったの？」
神童「……説明は後だ。今は逃げる。
こんな状態の剣城を連れては、戦えない」
それもそうだ。放っておくわけにはいかない。
外傷はないみたいだけど、こうなっているのは魔力が尽きているせいだろう。
早くグリーフシードでソウルジェムの穢れを取り除いてやらなきゃ。
魔人が再び動き出す。
俺と神童も結界の外を目指して走った。
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サリア(プロフ) - ありがとうございます(*ﾟ▽ﾟ*) 頑張ります！ (2020年2月15日 0時) (
レス) id: 24cae498c7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続編おめでとうございます！頑張ってください (2020年2月14日 23時) (レス) id: 6f84bfc0dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サリア | 作成日時：2020年2月14日 16時
