異変 ページ11
〜神童side〜
剣城を背負って走っている時、異変は起きた。
突然剣城の身体が持ち上がり、宙に浮かび出したのだ。
神童「剣城!?」
驚いて振り返る。だが本人に意識があるようには見えなかった。
剣城の身体に白くて細い布のようなものが巻きついていき、さらにそこから鈍く光る鎧までもが出現する。
俺が呆然と立ち尽くす間にも、“それ”は徐々に形作られていった。
次の瞬間、剣城の顔が___白い、感情を感じさせない笑顔になった。まるで仮面を貼り付けられたどころか、仮面そのものになったかのようだ。
そして気づけば、馬に跨った騎士のような姿をした巨大な“なにか”が俺の前に立っていた。
しかし騎士の下半身……というか足がないように見えるし、馬の頭にあたる部分はなぜか首から上が燭台のようになっている。
神童「____魔人?」
それは経験上、そう呼べるモノだった。
なぜ突然剣城から現れたのか、剣城本人は今どんな状態になってしまっているのか。
キュゥべえがいれば教えてくれたかもしれない。しかしそのキュゥべえは今、稲妻町にはいない。
剣城は仮面のような顔のまま、燭台の上に立ち尽くしている。
よく見ると、手綱なのか何なのか、紐状のものが身体に巻きついていた。
まるでこの魔人らしき騎士と一体化してしまっているかのようだ。
騎士が叫び声を上げた。かと思うと剣を振り回し、あちこちを破壊する。
俺は慌てて後退し、散乱する瓦礫をかわした。
その騒音に気づいたのか、ウワサの主たる化け物が咆哮を上げて近づいてくる。
騎士もまた、化け物に気づいて剣を振り上げた。
____そしてその巨大な剣は、化け物を真っ二つに斬り裂いた。
神童「……!」
騎士の猛撃は止まず、剣で何度も何度も斬りつけて化け物を細切れにしていく。
斬りつけられる度に、どす黒い液体のようなものが飛び散る。やがて化け物は、完全に形を失って消滅した。
主を失くした結界が歪み、消え始める。
そして完全に、元の神社の風景へと戻った。
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サリア(プロフ) - ありがとうございます(*゚▽゚*) 頑張ります! (2020年2月15日 0時) (レス) id: 24cae498c7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続編おめでとうございます!頑張ってください (2020年2月14日 23時) (レス) id: 6f84bfc0dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サリア | 作成日時:2020年2月14日 16時