01 入口 ページ2
中島敦は焦燥に駆られていた。
今現在、武装探偵社で追っているとある事件の全貌が掴めず、作戦会議中、自身には名案が一つも絞り出せない事に。
「大丈夫?」
ワイシャツの裾を引っ張られたと思えば、泉鏡花が首を傾げている。
「あ、鏡花ちゃん……大丈夫だよ。ありがとう」
チラリと国木田さんを見た。見るからに困り顔で、眉間に皺を寄せている。その国木田さんが、与謝野さんを見る。
「こうも目撃情報が少ないと、煮詰まる会議も煮詰まらないねェ」
その与謝野さんが、今度は乱歩さんを見た。駄菓子を食べながらうだうだ云っているが、視線に気づくと。
「いやあ、証拠が少ないと僕の超推理に磨きが掛からないなあ……そうだ!」
持っていた菓子の袋をばら撒き、立ち上がった。
「彼女に聞こうか!」
それを聞くと、国木田さんは顔を上げる。
「そうですね。乱歩さん、お願いします」
「え、なんですかなんですか?」
敦と鏡花は、疑問顔で座り尽くす。
「おっと2人は初めてか!じゃあついでに自己紹介しないとね!まあ、彼女は既に君たちのことを知っていると思うけど!」
「彼女?」
乱歩に手招かれ、二人は資料棚の前に来た。中に沢山の資料が入っていて、扉には硝子が張られている。
その前で、江戸川乱歩は。
「Aちゃーん!助けてー!情報が足りないんだー!僕の次に有能な君の異能を貸し給えー!」
と叫んだ。
なにしているんだ乱歩さん……。
そう、思ったと同時に、二人はギョッとする。
「「?!」」
資料の詰まっている、
それだけの、
資料棚から――手が伸びてきた。
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neko - 江戸川乱歩様、貴方には異能力が全く御座いません。サッパリです。 (2020年10月1日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
午(プロフ) - マカロニさん» マカロニ様、ご指摘ありがとうございます。早速プロローグにさせて頂きました。この様に切ない技量ですが、更新頑張りますので宜しくお願い致します! (2019年12月30日 11時) (レス) id: 51ec71086f (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - コメント失礼します。第一話のエピローグはプロローグの間違いではないでしょうか?(エピローグは終わりの時なので……)初コメントがこのような形ですみません。更新頑張って下さい。 (2019年12月30日 8時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:午 | 作成日時:2019年12月22日 22時