60 先ず星より始めよ ページ20
黒縁の車が止まった。
スーツの男が降りてきて、後ろの扉を開けると、写真で見た少女が、見知った制服を着て、降りてきた。
奥には薄緑色の髪のスーツの女。
小さい。
背は鏡花より少し高いくらい。
谷崎兄妹や、敦よりも若いくらい。
そして、敦と同じくらい真っ白な髪、
星の輝く瞳、緊張した面持ち。
車を降り、そのままAは不動で立っていた。
後ろから、辻村深月が心配そうな顔をする。
一度振り向き、大丈夫と、Aはアイコンタクトを取る。
彼女は今、通っていた学校の指定の夏制服を着ていた。
入社説明会だから、正装が良いということで、家から持って来て貰った。
それは、私のもので、
今日は全部、自分のもので来た。
髪を切ってからは初めて来たので、ちょっと鏡に映った自分の姿に驚いたけど。
約束の時間の1時間前。
その場所――説明会集合場所に、かなり早めに来てしまったが、その方が緊張も解れるだろうと、久し振りのお出かけ。
また、あの箱を出られた。
而も、許可を得て。
信じられない。
また、ヨコハマに戻って来られたなんて。
一体、私を、特一級危険異能者を外に出せる武装探偵社とは、何者なのだろうか。
いや、どういう団体かは知っている。
武装探偵社は、知っているけれど、本物は、見たことない。
なんでも、異能力を持った人達が集まってる、民間の武装調査組織。このヨコハマという街の事件を解決する所。
だったかな?
そんな所から、ナゼ、招待状が……?
というか、ナゼ此処に呼ばれたのか……?
色々考えていると、金の蝶の髪飾りを付けた綺麗な女の人が目の前を通った。
髪飾り、か。
可愛いな。
凄く大事にされているのが判る。
きっと、大切な人に貰ったのだろうな、と単純な思考回路を回した。
ん?
あれ、この人、なんか、モノを探している様な……困っている?
先程から同じところを行ったり来たり。茂みの中を覗いたり、塀を見上げたりしている。
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午(プロフ) - 雪さん» 雪様、ご感想ありがとうございます! 文章が綺麗っていわれてとーっても嬉しいです! 雪様にお会い出来て良かったです! また遊びに来てください! (2023年3月29日 22時) (レス) id: 26aa10f063 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - めちゃくちゃ感動しました…語彙力ないせいで上手く言葉に出来ないのが本当に悔しい…本当に文章が綺麗で惹き込まれます…この小説と出会えてほんとうに良かったです…( ; ; )♡ (2023年3月29日 5時) (レス) @page49 id: 235d41d493 (このIDを非表示/違反報告)
午(プロフ) - yuriさん» yuri様初めまして、ご感想ありがとうございます!やばいくらい泣かれましたか……うぉぉありがとうございます!夢主を幸せに出来ました、思う存分叫んでください!これからも頑張ります。ありがとうございました! (2021年4月19日 23時) (レス) id: 4dcd31a7db (このIDを非表示/違反報告)
yuri(プロフ) - はじめまして!初めてこの作品を読ませていただいたものです!感想を一つ2つ言いたいのですがあの泣きましたすごいもおあのやばいぐらいはい。それでもう一つ夢主ちゃん最終幸せに生きれてよかったねぇて叫びたい└(^o^)┘ではこれからも応援してます!頑張って下さい (2021年4月19日 20時) (レス) id: 2cc33a2b3d (このIDを非表示/違反報告)
午(プロフ) - シオリ様、ご読了と感想についてのご質問有難うございます!小説用Twitterはありません!既に下記文面で喜んで頂けた事が判明しているので、宜しければ此方にご感想を書いて頂くか、何もしなくても大丈夫です!お気軽に、宜しくお願い致します!此れからも頑張ります! (2020年1月20日 21時) (レス) id: 4dcd31a7db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:午 | 作成日時:2019年7月14日 14時