第七百五十八話：VS 世界 42 ページ4
〈side イギー〉
医師のじいさんがしてくれたことといえば、骨折した部分の固定と、これ以上内臓に骨が刺さらないよう触診でアレコレしてくれただけだ。
つまり、おれは全く無事じゃあねえ。ちょっぴり休んで、どうにか体力が回復してきたってだけだ。
アヴ「こらイギー、なぜ動物病院から逃げてきたんだ！」
イギー「…犬が答えられるわけねーだろ。アホなのか？」
一歩踏み出すのもかなりキツイし、ここまで跳んだり走ってくるのは、本当に死ぬかと思った。
けど、ここまで来ておれだけ仲間外れなんて嫌だろ？仕方ねえから、ちったあ役に立ってやるよ。
イギー「そこでぶっ倒れてやがる馬鹿を、運んでやりゃあいいんだろ？」
あと数回だ。スタンドを使うのにおれが死なない限度は、あとニ、三回だ。
その一回を今使ってやる。まったく、ポルナレフという男は、毎度毎度世話が焼けるよな。
イギー「……〈
現れた砂が、倒れていやがるポルナレフの体を持ち上げた。砂はザザッと一斉に動き出して、ポルナレフを運んでいく。
アヴ「お前がポルナレフを運んでくれるのか？
ありがとう、助かったぞ。ほら、お前はわたしが運んでやろう。」
イギー「いててててっ」
アヴドゥルは腕のみで、器用にもヒョイとおれを抱き上げた。おいおい、おれは腹も内臓も負傷してるんだぜ。丁重に扱えよな！
アヴ「ポルナレフはあの道の向こうから来た。つまり、花京院を置いてきた財団の救急車は向こうにいるはずだ。
向こうに向かってくれ。ゆっくりでいい。」
はいはい、向こうだな。
…にしても、抱いてもらってると大分楽だ。歩くのは本当にキツかったからな。ちょっとばかり苦しいが、まあ我慢してやるぜ。
アヴ「…ジョースターさんにハル、承太郎は無事だろうか……。」
突然、アヴドゥルがぽつりと漏らした。
そういえば、その三人は辺りに見当たらないな。DIOと戦っているのか。
…確かに、この怪我じゃあアヴドゥルがDIOと戦うには無理がある。置いてけぼりをくらったか。
アヴ「……。いや、このわたしが生きているんだ。より強運なジョースターさんや承太郎なら、必ず生きている。
ハルはそのどちらかが守っているだろうな。」
アヴドゥルは一人で自問自答していた。最終的にそれが結論となったのか、アヴドゥルは唐突に顔を上げる。
アヴ「さあ、行こうイギー。
戦えない我々のすべきことは、皆のフォローに回ることだ。
誰も被害者が出ないよう……精一杯努めよう。」
第七百五十九話：VS 世界 43→←第七百五十七話：VS 世界 41
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 49人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チャンりど(プロフ) - ものすごく面白かったです！こんなに長編なのにここまで書けるなんてすごいです！ほんとに尊敬です、、！とても良すぎてイッキ見をしてしまいましたー！これからまた続編も見ていきたいと思います〜！ (2021年3月28日 10時) (
レス) id: eb60ea12c4 (このIDを非表示/違反報告)
おさば(プロフ) - めちゃめちゃ面白かったですｯｯｯｯ！！こんなに長編の小説を読んだことがなかったのですが、飽きずに楽しく読むことが出来ました……執筆お疲れ様でした、素晴らしい作品でした(´TωT｀) (2021年2月8日 20時) (レス) id: 1de1f7238a (このIDを非表示/違反報告)
靜藍(プロフ) - 初めまして！私、初めてジョジョの小説を読んだのですが、キョウべえさんの作品とても面白かったです！！！私の好きなタイプのストーリーでしたｯｯ！！！((T_T))ｶﾝﾄﾞｳ!最高に楽しいお話をありがとうございました！！！ (2020年11月22日 17時) (レス) id: 114c5f5474 (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - 巨峰さん» はじめましてです。ありがとうございます！好きって言ってもらえて、誰かに認めてもらえるのがすごく嬉しいです！これからも精進いたします〜っ (2020年9月21日 19時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
巨峰 - ぁぁぁぁぁぁぁぁ…好きぃぃぃぃぃ…（泣） (2020年9月20日 18時) (レス) id: 782e9679bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キョウべえ | 作成日時：2020年7月25日 5時
