第七百五十七話：VS 世界 41 ページ3
〈side アヴドゥル〉
アヴ「ポルナレフ、ポルナレフ！起きないか！」
ポル「……。」
DIOを追って行った承太郎と別れ、わたしは瓦礫に埋もれて昏倒しているポルナレフの元にいた。
出血もひどいし、すっかり気絶している。しかしわたしには運べんのだ。手が無いからな。
アヴ「財団の救急車のもとまで、どう運ぶか……。」
とりあえずしゃがみ込んで、気絶しているポルナレフの顔をのぞきこんでみた。
…蹴り飛ばしていくしかないか？うーむ、少しばかり酷だろうか。
アヴ「むぅ……。どうしたものか。」
⁇?「イギ」
アヴ「⁉」
かがみ込むわたしの背中に、なにか小さい手のようなものがポンと置かれた。
柔らかいような、いや硬い感触…。ハルに誘われて、何度も触った覚えがある。
これは、犬の肉球だ。
「イギークン！どこに行ったのかね、イギークン！」
…あの声は…確か、ハルが重傷のイギーを預けた獣医のものだ。イギーを探しているのか？
イギーを動物病院に預けてから、約二時間が経った。すでに応急処置とやらは終わり、安静にしていることを優先されているはずだ。
「大事な患者が逃げ出したなんて、あの飼い主の女の子に知られたら……ゾゾゾッ、悪寒が止まらん！
イギークン！出ておいで、イギークン！」
アヴ「……。」
ま…、間違いないぞ…。い、今わたしの背中にいるものは、間違いなく……。
倒れるポルナレフをそのままに、わたしはバッと後ろを振り向いた。
アヴ「…おっ、お前はッ！」
そこには、三つ足歩行の小型犬がいた。腹や胸に厳重に巻かれた包帯を邪魔そうにしながらも、ニヤリと笑っている。
こんな人間らしい表情をする犬は、あいつ以外におらん。それはもう人面犬でもない限りな。
アヴ「イッ……」
言葉に詰まる。ま…まさか、脱走してきてしまったのか？DIOに一矢報いるためなのか、我々を助けてくれに来たのかは知らんが……。
そうして、わたしの大声が辺りに木霊したのだった。
アヴ「イギーーーッ！！」
名前を呼ばれたイギーは、ニッと悪だくみのような笑みを浮かべて、
イギー「アギ！」
とひとつ鳴いたのだった。
アヴ「ど、どうしてここに来たんだ！脱走してきたのか⁉」
…見るからに、傷が治っているわけでも、大した回復もしていない。
以前よりはるかに体力は回復したのだろうが、数回スタンド能力を使用できる程度だろう。
そんな状態でもなお、現れたイギーは、倒れるポルナレフのもとに歩いて行ったのだった。
第七百五十八話：VS 世界 42→←第七百五十六話：VS 世界 40
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チャンりど(プロフ) - ものすごく面白かったです！こんなに長編なのにここまで書けるなんてすごいです！ほんとに尊敬です、、！とても良すぎてイッキ見をしてしまいましたー！これからまた続編も見ていきたいと思います〜！ (2021年3月28日 10時) (
レス) id: eb60ea12c4 (このIDを非表示/違反報告)
おさば(プロフ) - めちゃめちゃ面白かったですｯｯｯｯ！！こんなに長編の小説を読んだことがなかったのですが、飽きずに楽しく読むことが出来ました……執筆お疲れ様でした、素晴らしい作品でした(´TωT｀) (2021年2月8日 20時) (レス) id: 1de1f7238a (このIDを非表示/違反報告)
靜藍(プロフ) - 初めまして！私、初めてジョジョの小説を読んだのですが、キョウべえさんの作品とても面白かったです！！！私の好きなタイプのストーリーでしたｯｯ！！！((T_T))ｶﾝﾄﾞｳ!最高に楽しいお話をありがとうございました！！！ (2020年11月22日 17時) (レス) id: 114c5f5474 (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - 巨峰さん» はじめましてです。ありがとうございます！好きって言ってもらえて、誰かに認めてもらえるのがすごく嬉しいです！これからも精進いたします〜っ (2020年9月21日 19時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
巨峰 - ぁぁぁぁぁぁぁぁ…好きぃぃぃぃぃ…（泣） (2020年9月20日 18時) (レス) id: 782e9679bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キョウべえ | 作成日時：2020年7月25日 5時
