第六百六十五話 ページ9
〈side 悠〉
花京院「承太郎!ジョースターさん!」
ジョ「うぬぬっ、花京院ーーッ!」
承太郎「……悠!」
とてつもなく段数の多い階段を上りきると、そこには承太郎さんとジョセフさんの二人がいた。
二人はこちらに駆けつけてきて、典明さんと私を迎えてくれる。
『はあ…はあ…な、何なんですか、この長い階段!』
承太郎「…てめー、本当に正気に戻ったのか?」
う、疑われてる!それも仕方のないことなのだが、ちょっと今は疲れてるので…後にしてもらえないかな。
承太郎さんはジトッとしたイヤーな視線で、私を見下ろしてきた。
承太郎「俺のことを呼んでみな。」
『は……はひぃ、じょ…承太郎さん…?』
承太郎「…よし、戻ったみてーだな。」
な…何だったんだ、今の。名前を呼んだだけで判別できるものなの?すると、戸惑っている私の背中を、ジョセフさんがパァン!と叩きつけた。
突然のことにびっくりしたのもあるが、酸素不足が相まって、私は激しく咳き込んでしまう。
ジョ「まったく、心配かけさせおって!
よくもわしらを『空条さん』だとか、『ジョースター』だとか呼んでくれたなぁ!」
…全然記憶にない。だから承太郎さんは今、あんな訳の分からないテストをしたのか。
覚えているのは、ジョースター家の二人の血液が欲しいな〜って、うっすらと思っていたことだけだ。血統にこだわりすぎて、苗字で呼んでしまったのかも。
『ご迷惑をおかけしました、…これからは注意します。』
ジョ「いいよ〜〜ん!いつも頑張ってくれとるからの、それを認めてやろう!」
頭を下げて謝ると、そこにジョセフさんの手が降ってきた。めちゃくちゃに撫でまわされて、髪がぐちゃぐちゃになる。
いつもだったら少しは怒るところだけど、今日はそれがなんだか心地よかった。
承太郎「おい花京院、一体どうやって肉の芽を抜いたんだ?まさかてめーが抜いたのか。」
花京院「いや、…彼女自身が抜いたのさ。」
承太郎「……よくわからねぇが、こいつの泣き声はだいぶ響いてたぜ。俺達にもよーく聞こえた。」
『な、泣いた?私がですか?』
そんなこと覚えてない。しかも、承太郎さんの話からして、結構な大声で……。
…恥ずかしくて、耳が熱くなるのがわかった。
それを知ってか、ジョセフさんがニヤニヤしている。
『……うぐぐ、ジョセフさん!』
花京院「はは、悠さんが元に戻ってくれて、喜んでいるだけですよ。」
典明さんにまでケラケラと笑われてしまい、私はもう諦めたのだった。
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サナ - 前の誰かに教えてほしくて13で、まさかの、推しに告られるとは………。びっくりです。(この作品最近ハマってますっ!キュウべえさんの作品まじ神っ!!) (2022年8月13日 13時) (レス) @page11 id: d7d01d7c2d (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - ピーカンパイさん» わ〜!ぜひぜひ仲良くしてほしいです!ゼペット……すみません、流行に疎くて、よくわからぬのです。いつもありがとうございます! (2020年7月11日 19時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - こけし@黒死牟さんはロリさん» ぜひお願いします…DIO様をチャチャッと倒しちゃってください!旅行か〜、そういうお話も楽しそうです! (2020年7月11日 19時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
ピーカンパイ(プロフ) - のりぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいあとのりぴーの誰かに教えてほしかったのところで(最高すぎて)昇天しました。キョウべえさんのせいです。おわびに友達に(((ゼペットっていうゲームしましょ((( (2020年7月10日 17時) (レス) id: 72c8a4a708 (このIDを非表示/違反報告)
こけし@黒死牟さんはロリ(プロフ) - DIOチャンは私が倒す みんなは幸せに 旅行でもイキナサァイ (2020年7月8日 16時) (レス) id: ae1e4ed40f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キョウべえ | 作成日時:2020年7月5日 6時