第六百九十三話：DIOという男 2 ページ37
〈side DIO〉
DIO「…なんだ、なぜ車を進めない？」
ウィル「じゅ……渋滞ですゥ〜っ、夕暮れの通勤時間帯はギシギシなんですゥ」
議員の男は車の動きを止めた。様子を見ていれば、たしかにかなり先まで数々の車が連なっている。
渋滞…やっかいだな。このままではジョースター達の乗るトラックに追いつけん。
……、そうだな…。
DIO「行け。」
ウィル「い…行けと言われても、これでは進めません…。」
DIO「歩道が広いではないか、行け。」
わたしの言葉に、議員は面食らったような表情を浮かべた。何を戸惑っている？
「歩道を行け」と、わかりやすく伝えているだろう。貴様のような者にも理解しやすい言葉を選んだつもりだが。
ウィル「ほ、歩道？仕事帰りの人があふれていますよォォ？」
…ああ、それを気にしているのか。
ただ、貴様はわたしの命令と、他の不特定多数の人間どもの命のどちらを優先するのだ？聞かずとも答えは決まっているだろう。
DIO「関係ない。行け。」
議員の男はヘラヘラと笑い出した。壊れたような乾いた笑いが、車内に響き渡る。…本当にやかましいやつだ。
そして、男がアクセルを踏み込もうとした。
その時だ。
ーガシャーンッ！
ウィル「ウヒイィィィッ⁉」
突如、運転席の窓が砕け散った。議員は割れた窓の破片から身を守るかのように、両腕を体の上に振りかざしている。
そんな議員の男の顔を、何者かが両手で包み込んだ。
〈危険運転は禁止です。やめなさい。〉
ウィル「こ……声がッ⁉」
その言葉に、議員はアクセルにかけていた足をどける。ほうけたように目をパチクリさせ、キョロキョロと辺りを見回していた。
議員の顔を包んだ、両手の主…そいつはすぐに消えていなくなったが…。
DIO「…そうか、近くに潜んでいたか……ハル。」
そもそも、当初はあの女を見つけたから、街に降りてきたのだ。途中で隠れたらしく、見失ってしまったから、ジョースターを追うことを優先した。
しかし、あの女が近くにいるならばー……。
DIO「…すぐに戻る…。それまでこの渋滞を進んでいるがいい。」
ウィル「は、はいぃぃ…？」
わたしが考えているのは、決して「今」のことだけではない。ジョースターどもを始末した後、むしろそこからが始まりなのだ。
その際に彼女がいれば、事が全てうまく進む。今のうちに捕らえておかねばならん。
DIO「あのスタンドは射程距離が短い。確実に近くに潜んでいるはずだ。
さて……どこに隠れているのかな？」
第六百九十四話：DIOという男 3→←第六百九十二話：逃走 2
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サナ - 前の誰かに教えてほしくて13で、まさかの、推しに告られるとは………。びっくりです。(この作品最近ハマってますっ！キュウべえさんの作品まじ神っ！！) (2022年8月13日 13時) (
レス) @page11 id: d7d01d7c2d (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - ピーカンパイさん» わ〜！ぜひぜひ仲良くしてほしいです！ゼペット……すみません、流行に疎くて、よくわからぬのです。いつもありがとうございます！ (2020年7月11日 19時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - こけし@黒死牟さんはロリさん» ぜひお願いします…DIO様をチャチャッと倒しちゃってください！旅行か〜、そういうお話も楽しそうです！ (2020年7月11日 19時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
ピーカンパイ(プロフ) - のりぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいあとのりぴーの誰かに教えてほしかったのところで(最高すぎて)昇天しました。キョウべえさんのせいです。おわびに友達に(((ゼペットっていうゲームしましょ((( (2020年7月10日 17時) (レス) id: 72c8a4a708 (このIDを非表示/違反報告)
こけし@黒死牟さんはロリ(プロフ) - DIOﾁｬﾝは私が倒す みんなは幸せに 旅行でもｲｷﾅｻｧｲ (2020年7月8日 16時) (レス) id: ae1e4ed40f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キョウべえ | 作成日時：2020年7月5日 6時
