第六百八十四話：違和感 5 ページ28
〈side アヴドゥル〉
ジョースターさんの怒号に肩を跳ねさせたヌケサクは、もはや開き直って棺桶のフタに手をかけた。
ヌケ「フェッフェッ…こいつらをブッ殺してやっておくんなさいましよおおおおお！
DIO様ァ〜〜〜ッ！」
ーギギィィー……
ついに、きしんだ音を立てながら、棺桶のフタが動き出した。ゆっくりと開いていくそれを見て、皆がゴクリと息をのむ。
決して油断などせず、ジッと棺桶を見つめた。中からDIOが飛び出してきた時、いち早く対応するためだ。
そう、誰も警戒を怠らなかった。
ヌケ「え？」
ジョ「……うッ⁉」
そして、フタは完全に開けられる。棺桶の中にいた者がハッキリと見えた。
そこにいた者を見て、わたし達全員が驚愕の声を上げた。思わず背をのけぞらせる。
ヌケ「…………オレ？」
そこにいたのは、口を裂かれた男だった。
口からあごにかけてを無残にも裂かれていることで、その鋭い四本の犬歯がむき出しになっている。
その背の低い男は、こちらに向けて震える腕を伸ばしてきた。敵対していることなど関係なしに、わたし達に助けを求めているのだ。
ヌケ「な……中にいたのは……」
しゃべりづらそうに、ガクガクと揺れるあごで、彼は言葉を発した。声色から恐怖と驚きが伝わってくる。
ジョースターさんは目を見開いて、イヤな汗を頬に流していた。しかし、それは私も同じだ。
ヌケ「オレだったァーーーッ！」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〈side ポルナレフ〉
目の前の状況が理解できず、オレは完全に固まってしまった。
今、DIOが潜むはずの棺桶を開けたのは、他ならぬヌケサクだ。しかし……開けた棺桶の中にいたのはー…
ジョ「な…なにィーッ⁉ど…どうしてヌケサクが棺桶の中にッ！」
そう、
オレだって上手く説明できねえ。開けたのはヌケサクだ、しかし中にいたのもヌケサクだった。
……おかしいぜ、あの階段でDIOに会った時から、何かが狂っている！オレなんかじゃあ理解できねーほどの、ヤバい能力が働いていやがるッ！
ジョ「馬鹿なッ！わしは一瞬たりとも目を離さなかった！
だっ、誰か、今……ヌケサクが棺に入った、いや、入れられた瞬間を見た者がいるか⁉」
誰だって目を離してなんかない。もちろん、オレだってしっかりと見ていた。
そうだというのに、今何が起きたのか、理解ができねえ！一体、何が起きたんだ⁉
〈
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サナ - 前の誰かに教えてほしくて13で、まさかの、推しに告られるとは………。びっくりです。(この作品最近ハマってますっ！キュウべえさんの作品まじ神っ！！) (2022年8月13日 13時) (
レス) @page11 id: d7d01d7c2d (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - ピーカンパイさん» わ〜！ぜひぜひ仲良くしてほしいです！ゼペット……すみません、流行に疎くて、よくわからぬのです。いつもありがとうございます！ (2020年7月11日 19時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - こけし@黒死牟さんはロリさん» ぜひお願いします…DIO様をチャチャッと倒しちゃってください！旅行か〜、そういうお話も楽しそうです！ (2020年7月11日 19時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
ピーカンパイ(プロフ) - のりぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいあとのりぴーの誰かに教えてほしかったのところで(最高すぎて)昇天しました。キョウべえさんのせいです。おわびに友達に(((ゼペットっていうゲームしましょ((( (2020年7月10日 17時) (レス) id: 72c8a4a708 (このIDを非表示/違反報告)
こけし@黒死牟さんはロリ(プロフ) - DIOﾁｬﾝは私が倒す みんなは幸せに 旅行でもｲｷﾅｻｧｲ (2020年7月8日 16時) (レス) id: ae1e4ed40f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キョウべえ | 作成日時：2020年7月5日 6時
