【ジョジョ】誰かに教えてほしくて 14

第六百八十話：病院にて　8 ページ24

〈side ボインゴ〉

…ーバッシャーン！


アレ「ふぎゃーーーっ」



ぼくたちの目の前で、アレッシーさんは予言通り、ビッショビショのグッショグショになりました。
セットされた髪が台無しで、本当に水に濡れた犬みたいです。

チリンチリン！と鈴が大きな音を立ててしまい、腕の中の赤ちゃんがビクッとしました。




仗助「すげえー、おじさんすごいっス！」

ンド「知り合いがすまないな、どうか許してやってくれ。」

仗助「んーん！スタンドのいい練習台になったから、別に怒ってないっスよ。」

ンド「そうかそうか、それはよかった。」




…本当に怒っていたのでしょうか。ンドゥールさんが仗助くんに見せた笑顔は、あまりにも穏やかでした。もしかして、子どもが好きなのでしょうか？

すると、腕の中の赤ん坊が、ケラケラと笑い始めました。かわいいです。





マニ「ギャハハハハハ！アレッシー、てめーなかなかいいザマだぜ！いいもん見してくれてありがとよ！」





…か…かわいい…？いや、そんなものじゃないです。今、この赤ん坊……しゃべりましたよね？

しかも、かなーり口が悪いみたいです。

びっくりして思わず凝視していると、視線に気がついた赤ん坊はぼくを見上げました。そして、顔をしかめます。



マニ「なんだよ。まあ、助けてくれたお礼くらいは言ってやるぜ？」

ボイ「へ⁉い…いえ、そんな…」

仗助「すげぇー！ほっぺた柔らけえ！」

マニ「ギャーッ」



横から手を出してきた仗助くんの指が、赤ん坊のほっぺたをひたすらプニプニしています。悲鳴を上げた赤ん坊ですが、まあ赤ん坊なので、抵抗できずにいるみたいでした。

…ぼ…ぼくも……。




マニ「やめろー！」

⁇?「あら、この子もうしゃべれるの？すごいわ。」




そーっと手を伸ばしたところ、突然降ってきた声に、それを遮られてしまいました。

聞こえてきた女の人の声に、仗助くんは「ゲッ」とつぶやきます。そんな彼の頭に、ポンと手が置かれました。




⁇?「ほら、病室に行くわよ。皆にバイバイしなさい。」

仗助「もー、朋子サンめ！髪はやめろよなっ」

朋子「あなた、仗助と遊んでくれてありがとね！…ほら、行くわよ！」

仗助「わかってるよぉ〜…。じゃあな、ボインゴ！」




朋子さん、と呼ばれた女性は、ぼくの手にアメ玉を握らせてくれました。二人の関係からして、どうやら朋子さんは、仗助くんの母親みたいです。

…二人とも日本人ですが、どうしてわざわざ、ここエジプトの病院にいるのでしょう？

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