【カゲプロ】画面の奥の君と僕【カノキド】 (ページ3)

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今僕が見ているのは最近始めたとあるゲームの掲示板だ。
友達に勧められて始めたんだけど、なかなか面白い。
取り敢えず誰かと話がしたくて、気が合いそうな人に手当たり次第に話しかけた。

「この人なんてどうだろう……キド、かぁ……」

キドは、ついさっき見つけた人だ。喋り方は男の人みたいだけど、なんか可愛い。今までのキドの発言記録を見てみたら、言葉のあちこちから「この人は女の子だ」と思わせるような言葉がちらほらと伺えた。

「うーん、思い切って『女性ですか？』って訪ねてみようかな……」

これでもし男だったら……まあ、普通に友達として接すればいいか。

『えっと、いきなりで悪いけど、キドって女の子？』

送信してみて思ったけど、ちょっとド直球すぎたかな……？
ドン引かれてたらどうしよう……。ナンパだとか思われて無いかな……。
ああヤバイ、あんな事聞くんじゃなかった。
ほら、さっきまでキドは即レスしてくれたのに5分経っても何も返してくれないじゃないか、ああどうしよう。
あ、きっとおやつとか食べてるんだよ。時間的に。
さっき時計を見たら3時くらいを指してたし、そうに違いない。超絶暇人な僕と違ってキドはずっとここにいる訳じゃないもんね。

しかし、返事は2時間経っても来なかった。

「……やっぱドン引かれたんだ……。うぇぇ……」

小さく呻き声が洩れる。
なんでだろう。別に大した事じゃない筈なのに。今までだって、2、3回話しただけでフェードアウトした人だって何人もいたのに。どうしてキドの時だけこんな気持ちになるんだろう。
閉めきった部屋の中で一人、回転椅子の上で膝を抱えていたら、返信が来たことを通知する音が鳴った。

「！！？」

ばっとディスプレイにしがみつく。そこには、確かにキドからの返信が来ていた。

『返信、遅くなってすまない。ちょっと買い物に出掛けていたんだ。そろそろセールの時間だからな』

買い物……やっぱりこの子、女の子なのかな。
ていうか、質問の答えが返ってきてない……。わざとかな？
『質問の答えが返ってきてないんだけど……』と返そうとしたところで、キドからメッセージがきた。

『あ、質問に答えて無かったな。俺は……女だが、まあ信じてはくれないだろうな……』

やっぱり！だけどなんか弱気だなあ。信じない訳がないと思うんだけど。
僕はまた、キーを叩き始めた。