汚い大人たち ページ3
いつものように新八くんが出迎えに行くと、数秒後にはドタドタドタという足音が聞こえ、その足音はやがて居間の前で止まった。
「銀さーん!久しぶ・・!?」
ガラリと開いた戸を見れば、バッチリと晴太君と目が合ってしまった。
晴太君はぱちくりぱちくりと瞬きを繰り返し、やがて
「誰!?このお姉さん!!」
ビシッと刺された指に反射的にビクリとすれば、晴太君は興味深そうに私を見た。
「・・て言うかお姉さん、見ない顔だね」
首を傾げながら私を見る晴太君にギクリと背筋が伸びる。
すると、銀さんはため息交じりに、そして少し得意げに言った。
「おい、人の女ジロジロ見てんじゃねェ」
「えええ!!!もしかしてアンタ、銀さんの彼女なの!?」
「もしかしなくてもそうだよ」
フンっと鼻を鳴らした銀さんに、いつものようにジトっとした視線を送る神楽ちゃんと新八くん。しかし、晴太君はその答えを聞くと目をキラキラ輝かせた。
「へぇー!ついに銀さんにも彼女かぁ・・!月詠姉は寂しがるだろうけど、おめでとう!銀さん!」
「お、おう」
素直な祝福は初めてでそれにどもりつつも、返事をした銀さんに晴太君は改めて私にペコリと頭を下げた。
「オイラ、晴太です!よろしく!・・あ!お姉さんの名前は?」
「AAです!」
そう答えると晴太君は愛想のいい笑みを浮かべて、改めて「よろしく」と言った。
・・漫画やアニメでも見てたけどなんて感じのいい子っていうか、育ちがいいって言うか、とにかくなんて可愛らしい子なんだ、と感動していたのも束の間。
晴太君は、一呼吸置くと・・で、と言葉を繋げた。
「銀さんとAさんは、どこまで行ってるの?」
どこまで?何処まで?ドコマデ?
ぽくぽくチーンと一瞬のフリーズと共に、声を上げたのは神楽ちゃんだ。
「何処までもいかせるワケないネ!!かわいいAに手ェ出してみろ、お前のその股についてるお粗末なモン握りつぶしてやるアル!!!」
「うるせェ!!出そうがどうしようが俺の勝手だろうが!!」
売り言葉に買い言葉、その言葉にさらに神楽ちゃんの怒りはヒートアップ。
ここでは見せられないような汚い怒号の飛び交う中、晴太君は一人キョトンとして一言。
「ちょ、ちょっと待って?オイラ、結婚するのかって意味だと思ってたんだけど・・」
よってこの言い争いは、汚い大人たちの勘違いで終わったのだ。
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微糖。 - 面白いです。続き待ってます。 (2020年5月31日 20時) (レス) id: 7154107f34 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 今までで1番好きな物語です!更新楽しみにしています。 (2020年3月29日 11時) (レス) id: cd8046c6bb (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - ソマリさん» ありがとうございます。これからもよろしくお願いします (2020年2月16日 22時) (レス) id: 9618de47fb (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 淋さん» ありがとうございます。楽しんでいただけているようでうれしいです (2020年2月16日 22時) (レス) id: 9618de47fb (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - モンスターエナジー愛好家さん» 更新長らくお待たせしました。ありがとうございます (2020年2月16日 22時) (レス) id: 9618de47fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神阿 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/
作成日時:2017年11月23日 21時