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「お話ししーましょー?」
「あ、はーい…」
わぁートントンくんの笑顔がこわーい!
トイレの一件のあと授業が終わり、身構えていた私の緊張とは裏腹にトントンは姿を現さなかった。
そのまま昼休み・放課後と時は流れ、もしかしたら私が情報を仕入れたから見張りの必要もなくなり諦め体制に入ったのかと思っていた。まぁ私の行動をずっと見張るなんて無理だし遅かれ早かれってやつですね。
トントンと顔を合わせることに少しの気まずさを感じつつ、忍び足でリビングのドアを開けた瞬間これ、壁ドン、いやドアドンが見事に決まり、現在はドアを正面に背後からトントンに挟まれている最中。
なまじ体格がいいもんだから物凄い圧力だ。
「休み時間に友達からなぁに教えてもらったか教えて欲しいなぁ」
「ももももち、もちろん喜んで教えます!」
落としそうになりながら急いで携帯を取り出す。いつもなら5秒あれば呼び出せるアプリにモタモタしてしまうのは後ろに般若がいるのではと恐慄いているのとTシャツから伸びた少し日に焼けた男らしい腕だとか真横の呼吸音が気になってしょうがないからだ。
こんな至近距離じゃ文章は消せないし、完全に腕で囲まれて逃げようがないんだからそんな密着しないで欲しい…!
「これ…です!」
基本的なプロフィールを箇条書きした画面をトントンが見えるようやや斜め上に向ける。
「ほぉー」
顔が近い。次、次、と耳元で嘱かれるのに合わせて画面をゆっくりスクロールしていく。
「すごいな、個人情報レベルやん」
驚くのはいいけどいちいち耳元で喋るのはやめてください。首と膝裏が痺れる変な感覚がして落ち着かない。真面目にしている時であってもそこまで低くならずとても聞き取りやすい声に掠れが混じって、その上にこの体勢。平常心を保てという方が無理でしょ…!
「ーーA、ーA?」
「はっ、はい!」
「メモにシッマとグルさんと俺のこと書いてないのはなんでなん?」
「はっ!」
シマさんが教えてくれたメンバーだけ書いたから名前を知ってる3人が抜け落ちたみたいだね。
「あっ、ふーん」
「いや違うんです。知らない人たちしか頭に無くて、いやグルッペン様も知らないんだけど、」
「俺の誕生日、血液型、好きな食べ物、どこのクラスか知ってる?」
「…ゃ……し、知りません…」
「俺以上に詳しくなった男がいて、あっ、ふーーーん?」
身体が震える…これが針のムシロってやつか…。
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あまぎ(プロフ) - linkeaさん» 心に染みるコメントありがとうございます!tン氏の妥協の産物ロボピッピですが自分で想像して可愛いと悶えたりもしました。彼には是非あざと可愛い行動をして欲しい…!こちらこそ楽しく読んで頂けるのめちゃめちゃ嬉しいです!今後ともよろしくお願いします! (2021年2月21日 16時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
linkea(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます!!19話目のピッピの流れめっちゃ好きです笑 こんなにも面白い話ありがとうございます! (2021年2月20日 12時) (レス) id: b1d2253538 (このIDを非表示/違反報告)
あまぎ(プロフ) - ゆりおとめさん» そこに触っていただけるとは!ナカーマです!自分からは好きな人に好意を持って接すれるのに好意を持った相手から好意を向けられると嬉し恥ずかしになってしまう、そんなトnさんを推したくて書いてるので反応頂けて嬉しかったですー!コメントありがとうございました! (2020年10月2日 19時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりおとめ(プロフ) - 10話の「自分からは行けるけど、夢主から来られると挙動がバグるtn」にmoeました。 (2020年9月30日 22時) (レス) id: 01e13c464f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりおとめ(プロフ) - 好きです (2020年9月30日 22時) (レス) id: 01e13c464f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あまぎ x他1人 | 作成日時:2020年1月9日 18時