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青春13.乱歩先輩の助言 ページ14

「な、な、何故こんな名前に…?」

衝撃のあまり手も声も震える。

あの溢れる圧力と威厳と力強い目力。

あのような方がLINEの名前を「猫好きの代表」としているとは、にわかに信じ難い。

「いや〜福沢さんって猫が好きだからね。ほら、普通の名前じゃつまらないでしょ?」

「だから僕が友人と決めた」至って普通に答えられ、何を云えばいいか判らなくなった。

しかし、決める時に繰り広げられた会話が気になるところだ。

取り敢えず登録し、名乗っておく。

A福沢さん、Aです。勝手ながら登録させて貰いました

意外と早く既読が付いたが、一向に返信は来ない。

「ら、乱歩先輩、若しかして私、怪しまれてます?」

「警戒はしてるだろうけど、大丈夫だよ」

「もうすぐで来るよ」という乱歩先輩の予言通り、返信は来た。

猫好きの代表紹介か

たったそれだけだったが、意味は判ったので肯定した。

すると、「何かあれば連絡しろ」と返ってきた。

まだ引っ越して来たばかりで、街のこともよく判らないが何とかやっていけそうだ。

「あ、そうだ。君の先輩として助言させて貰うよ。

ヨコハマ学園で過ごすことについての助言だ」

「助言?」

すっかり寛(クツロ)いでいる乱歩先輩はベッドに寝転がっていた。

もう1度「女子のベッドですよ」と云いたかったが、ぐっと堪える。

「黒組にはあまり近付かない方がいい」

「え…」

ここに越してきて、学園で初めて仲良くなった人達だ。

物騒なことは聞いており、その人達からも忠告は受けている。

けれど、もう友達も同然の彼らにあまり近付くななんて云われては、黙っていられない。

「如何してですか?敦君達は…」

「君が何を云いたいかは判ってる。でもこれは助言だ」

乱歩先輩は扉へ向かう。

「敦君達の人柄の善さは僕も知ってる。過去だって知ってるさ。

だから助言した」

「まぁよく考えることだね」そう云い残して部屋を出て行った。

「……何の問題があるの?」

何故近付いてはならないのか、私にはさっぱりだった。

その夜、私は太宰先輩と連絡を取った。

青春14.太宰先輩とのLINE→←青春12.LINEの名前は個性が出る



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作者名:入浴 | 作成日時:2018年3月12日 23時

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