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「夏樹ちゃん、私達を此処までして来させたのは、助けて欲しかっただからだよね?」
太宰の言葉が、部屋中に響き渡る。
俺達を此処まで来させ、そして閉じ込めたのは助けて欲しかったから……?
そう……なのか……?
「Aを拘束していた手錠、私と中也がいた部屋はどれも簡易的で、直ぐに脱出できるようになっていた。あんなに賢明な君が、私達を捕らえるだけでそんな簡単なことするはずがないってね。」
俺は、足下に落ちているAを拘束していた手錠を手に取って見てみた。
これは────よく百均で売ってあったりする、パーティー用のパロディ手錠だ。
まぁ、警察官が持っている本物は一般人には持てないが、確かに簡単なものだった。
そう言えば、あの俺らが閉じ込められていた部屋も────
「夏樹ちゃん、Aが何度も言っている通り、これ以上意地を張ったら、君が壊れてしまうよ。私やAは、あんだけ対立してたとしても、夏樹ちゃんがいつか壊れてしまうんじゃないかって心配なんだよ。」
太宰の落ち着いた態度と声に、曽我夏樹は何かを感じたのか、地面に沢山の涙をおとした。
そして───
「ごめん……Aちゃん、治君……私……」
『夏樹……』
曽我夏樹の涙が移ったのか、Aは同じように涙を流しながら、彼女をそっと抱き締めた。
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シオン(プロフ) - 星さん» コメントありがとうございます…!二人で頑張っていこうと思います! (2020年1月11日 21時) (レス) id: 4b59e65728 (このIDを非表示/違反報告)
星 - すっごく面白いです!頑張ってください!ブックマークしときます。 私にもこんな面白い作品が書けたらなぁ。 (2020年1月11日 19時) (レス) id: 43b5f5b23e (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 紫苑さん» ありがとう!シオンと頑張って二人で続きを作るよ〜! (2020年1月8日 19時) (レス) id: 9b318e66e8 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 凄く続きが気になるのでがんばってください。応援してます。 (2020年1月8日 18時) (レス) id: 84cbb07a27 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - ★ayaka★さん» ありがとうございます!更新はゆっくりペースですが、これからも応援よろしくお願いします! (2019年10月22日 21時) (レス) id: 9b318e66e8 (このIDを非表示/違反報告)
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