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コーヒーの染み___6 ページ6

「まあいいや。やってみなよ。

俺が何を言っているかすぐわかるから。」


そういい彼は立ち上がった。

「またね」といい立ち去ろうとした。

「待ってください!」

そういうと少し彼は止まってこっちを向いた。

「……お名前教えて貰ってもいいですか?」







「クロロ」

彼は一言そういい去っていった。

ーーー

それから数日彼は来なかった。
今彼がどこで何をしているかなんて変わらない。

私には知る由もないのかもしれない。だけど、私が彼を好きになったことは変わりない。彼のことを少しでも知りたいって思った。

一目惚れだから彼からすると迷惑な話だ。

本気で彼に恋をしたところで、彼に近づけたところで、私と彼とでは天と地ほどの差がある。全く持って釣り合わないことなんで目に見えてる。


それでも好きになってしまったものはどうしよもない。

……矛盾している。どうかしている。

「はぁ……」
「ため息なんてついてAらしくないね。」

バイトの先輩が心配しながらそう言ってきた。
私は「ちょっと面接の内容で悩んでて」と笑って誤魔化した。そんなの大嘘だ。先輩はそっかと言いレジに呼ばれたから走っていった。

「Aちゃん。ご指名だよ」

数分して戻ってきたかと思ったら、思いがけない発言をした。指名とは??初めての経験で戸惑いながらレジに行ってみると「レジじゃなくって外」と言われた。



外に出るとクロロさんがいた。

「すみませんクロロさん。どうか致しましたか?」
「いや、少しね。」

今日はカフェマキアートを頼んでいたらしく、手にはカフェマキアートを持っていた。

「俺はね、この街には仕事に来てたんだよね。明日この街を去るんだ。」
「!」
「なんでずっとこの店に通っていたか知ってる?」
「……ここのコーヒーが美味しいから?」
「普通ならそう回答するんだと思うけど違う。
君がいたからだよ。」

どういう事だ?私がいるからこの店に通っていたなんて……意味がわからない

「君のあまりに真剣な勉強に少しだけ見惚れたんだ。でも君は政治なんて馬鹿なことをすると言った。」
「……馬鹿にしないで下さいよ…」
「いや、馬鹿にするね。
ハンターでもない。
念も使えない。
ただのガキが政治?
街の整備及び教育の保護?

いやいや、無理だから。
実質それで食べていけるようになったとしても、君の実力じゃ彼らは動かない。」

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作者名:アヤミ | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年5月18日 23時

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