【Ｈ×Ｈ】カフェマキアート【クロロ】 (ページ5)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:8,066 hit

コーヒーの染み___5 ページ5

「お先に失礼します」
「Aちゃんお疲れ様」

一日のバイトが終わり裏口の扉を開けた。ふと、目に入ったのは時々カフェマキアートを頼む彼だった。

「Aちゃん」
そっと私の名前を呼んだ。

「どうかされましたか？」

私がそう聞くと、「ちょっと聞きたいことあって」彼はそういい道を進んだ。その場で止まってる私に「おいで？」と手を招いた。私はそんな彼について行った。

どこに行くのだろうと思いついて行った。

「ここに入ろう」

彼がそういい止まったのは大きな橋だった。今はもう使われていないようで、ベンチが破損していたり、ペンキで落描きをされていたりと、見るに堪えない場所だった。

そんな中、使われていないベンチがあった。彼はそのベンチに座り私を見た。

「ねえAちゃんさ。政治に興味あるの？」

驚いた。驚きすぎて声が出ない。彼に話した記憶はない。彼にはそんな話一切していない。なんで知っているんだろう。

「どうしてって顔だね。図星かな？
あんなに堂々と国家権力者の本を読んでたらそう思うでしょ？ただの予想だから」

彼はそういい地面に目線を向けた。

「別に私は国家権力者になりたいわけではないんです。貴方は知らないかもしれないですが、存在しない人が生きている街がこの世界にはあると言うことを知り、刺激をうけました。

私は、そういう人の住む場所の整備及び教育を始めとした生きていくスキルを広げてあげたいと思っているんです。」

「もしかしてそれって……流星街のこと？」
「？！…ご存知だったんですね」

彼は顔を上げ私を見た。

「知っているも何も俺の故郷だからね。

流星街は何を捨ててもいい街、武器も人も……だからこそそんなことされたくない。
あいつらはAちゃんの入る隙間なんて作らないと思うよ。」
「……」

何も言えない。

言い返す言葉が見つからない。

「ああ、別に責めているわけじゃないよ？ただの俺の意見。」

そう彼は言った。だが、目は本気だった。「部外者が何をしに入ってくるつもりだ？」と。目でそう訴えられた。