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カナヲside
どうしてなの?
全く隙が無い…………!
空柱様は、師範と同等、
否、それ以上の力を持っていらっしゃる。
「どうしたの?息が上がってる。全集中が途切れてるよ?」
なのに!
平然と身を翻し、それでも笑える余裕を持つ。
何より、型が自由過ぎて読めない!
『っ……、参りました。』
「本当に強いのね。流石、カナエさんとしのぶちゃんの妹だわ。」
そう言って、優しく笑いかけて下さる。
『どうすれば…。』
「ん?なぁに?」
『空柱様みたいに、強くなれますか?』
羽織を靡かせながら、彼女は笑った。
「感覚を、研ぎ澄ませるの。一挙一動、見逃さぬように。」
そして、綺麗な指先で私の目元をなぞった。
「貴方は…、視る感覚を大切にしなさい。貴方はきっと、お姉さん達の様に強くなる。」
そう言い残して、帰られた。
『カナヲ、Aさんは?』
『今、帰られました。』
『そう…。お礼は今度伝えましょう。』
視る力…。
一挙一動、見逃さない…。
私はそっと、自分の目に触れた。
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學嶺 - このお話、感動しました!他の作品も応援しています!頑張ってください! (2020年5月30日 14時) (レス) id: a702f5d3b3 (このIDを非表示/違反報告)
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