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新一年生全員の組み分けが終わると、白い顎髭を長く伸ばした優しいブルーの瞳の、珍しい半月メガネをかけた人物が組み分け帽子のすぐ近くまで進み出た。
『あの人が、アルバス•ダンブルドア…校長先生?』
「そうさ。」Aが呟くと、2人のどちらとも取れない声がそう返す。
ダンブルドアは軽く咳払いをし、大広間全体全体を見回した。
「新入生諸君、入学誠におめでとう。話したいことは色々ある。…じゃがまずは空腹を満たすべきじゃ。
それ、思う存分食べるとよい!」
食べるって何を?そう思い先程まで空の食器しか置かれていなかったテーブルを見たAは息を飲んだ。
なんとそこにはあふれんばかりのご馳走が積み上がっていた。
「な、A。だから言ったろ?」ジョージが少し自慢するように言った。
フレッドはもうがむしゃらにご馳走にかぶりついていた。
2人がご馳走を美味しそうに食べるのを、Aはニコニコと見つめていた。
「A、食わないのか?」フレッドがモゴモゴしながら問いかけた。
その時もAは確かにニコニコと笑ってはいたが、どこか苦しそうなように、ほんの一瞬だけ感じた。
『うん、平気。』二言で返したAはやっぱり辛そうだった。
「(平気じゃないだろ…)」ジョージは2人のやりとりをみて、心の中で呟く。
ホグワーツ特急の中でだって、Aは昼食の時一切レースを外さなかった。
それどころが、こんなに仲良くなった俺たちにだって口元を見る隙が一瞬もなかった。
きっとそれだけ深い傷を、あるいは呪いを、彼女は、愛しい彼女は、一人で抱えている。
まだその問題に踏み入れられる程ではないけれど、せめてもの救いを___________。
そう思い、デザートの糖蜜パイを、紙ナプキンに包んだ。
そうして夕食の時間は終わり、再び食器が綺麗になる。
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えすかるご(プロフ) - じゃーん、えっちふんさん» ありがとうございます!励みになります!新しいスマホ買ったのでもうすぐ更新できると思います! (2023年3月12日 19時) (レス) id: 9e09c78e30 (このIDを非表示/違反報告)
じゃーん、えっちふん(プロフ) - 続きを....続きをお恵みください... (2023年3月9日 0時) (レス) @page28 id: 1b7c50ba33 (このIDを非表示/違反報告)
えすかるご - おるごぜんまいさん» ありがとうございます!嬉しすぎて全米泣きました!リア友しか勝たん… (2022年8月2日 8時) (レス) id: 162856ebad (このIDを非表示/違反報告)
おるごぜんまい(プロフ) - お父さんめっちゃいい人やん!めっちゃ続き気になります!頑張ってください! (2022年8月1日 22時) (レス) @page8 id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
ニコラスキャラメル - いつになった双子がでてくるんですかぁ??? (2022年7月29日 18時) (レス) @page3 id: 638fd3d96b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えすかるご | 作成日時:2022年7月28日 0時