今世 伏黒恵少年 (2) ページ26
『 まさか子供に気遣って貰うなんて思いもしなかったよ。君をお世話するために来たのに私がお世話された気分だ』
「 別に気遣ってなんかないし」
『 ふふ、そうか私の勘違いだったか。でもありがとう恵………君は優しい良い子だね 』
愛し気に細められた初めて受けるその視線のせいか、久しぶりに自分の名前を優しく呼ばれたせいか、それとも頭を撫でられたせいか俺の顔に熱が集まっていくのが分かる。
俺も呼んでみたい。心の中であんたを呼ぶみたいに。
そんなこと聞く勇気はないけど。
……なんて思っていたら俺の口は案外正直者みたいでAに名前を呼んで良いか聞いていた。
多分、嬉しいと愛し気に目尻を下げて無邪気に笑ったAの顔を忘れることはないだろうなって幼気にも俺は思った。
目の前で今か今かと待っていた大輪の蕾が花咲く瞬間を俺だけが見れた……そんな感じの気持ちだ。
それからも普段何の仕事をしてるのかと、何歳なのかとか、あの気持ち悪いの見えてるんだろとか聞きたいことはあったけど、
問い詰めて嫌われたくなかったからしなかった。
あの目隠し男が来るまでの3年間。
他の人間が聞いたら3年間’も’なんて言うかもしれない。それでも俺はAと過ごすには短すぎる時間だと思った。
あの日。Aと出会った、あの日は俺の人生でもことある事に思い出しては俺の胸の内を暖かくしてくれるような大切な日になった。
伏黒恵
通うつもりもなかった幼稚園にAのせいで通うことに。本人は嫌々だったけど送り迎えのときに他の園児達がAを見て惚けた表情をしたり顔を赤くしたりしてるのを見て、ちょっと優越感を覚えてたりする。
謎にバイトしてる李を当初は男だと思っており「同棲してるのか……」ってだいぶ落ち込んだ。今じゃ料理の師匠だと慕ってる。(李もなんだかんだ可愛いがってる)
A
心を開いてくれてるのは分かってるんだけど、先に知り合った自分より李の方が素直に懐いてる気がして拗ねてる。
李
素直に慕ってくる少年に満更でもない。Aには照れて素直な態度をとれないことを知っていてAに教えてない。拗ねてて可愛いのとこれ以上ライバルを増やしたくないしあの男の子供なので危険視してる。(大人気ない)
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武藤で無糖(プロフ) - みくさん» ヒョエーーー!そう思って頂けて嬉しい限りです。コメント凄いモチベになります!ありがとうございます߹ᯅ߹ (2022年11月8日 14時) (レス) @page28 id: 6b6a37760c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - ヤバい...物語の進み方が好きすぎる...設定が好き....面白すぎます!夢主ちゃんのこういう感じ、めっちゃ好きです!! (2022年11月7日 20時) (レス) @page7 id: c22457a4d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:武藤で無糖 | 作成日時:2022年10月23日 15時