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今世 伏黒恵少年 ページ25

その人の第一人称はキレイな女の人。だった。


今までも父親役目当てで尋ねてくるキレイな女の人は多く居た。


だけどドアの隙間からチラリとみえたその人は今まで訪ねてきた人達より数倍、数十倍…いや差が付けられないくらいキレイだったんだ。


取り敢えず今までしてきたように中に上げてお茶を出す。


「(怪し過ぎる)」


俺に親のことを聞いては来るけど父親(甚爾)のことは聞いてこない。


「(父親(甚爾)の知り合いじゃないのか?)」


嵐のように世話をするだとか引っ越しの準備をするだとか言って去っていた女の人。


「……琴真似 A」


最初はこの部屋に入るための嘘だと思ってたけど、隣の部屋からガタゴトと片付けをする音がして本当なんだと納得した。


__


「( これがカレー……)」


急に来たかと思えば無遠慮にキッチンを勝手に使ってカレーを作り出したA。

自信満々だった顔はどこに行ったのやらカレーと俺の顔をチラチラと行ったり来たりしている彼女を見て心の中で笑ってしまう。


口に運んだカレーは凄い苦くて辛いような、それでいて焦げた味と匂いがした。クソ不味いな。

久しぶり……と言うか初めてかもしれない誰かの作ったご飯はある意味忘れられない味になった。


あまりの不味さで歪んでいるであろう顔を見せたくなかった俺は食べ終わったお皿を持って急ぎ台所に向かった。


説明の通り作ったはずなんだけど……なんて落ち込んでる声が後ろから聞こえる。


落ち込んでるAが可哀想だったのか、それとも初めての手作りご飯が以外にも嬉しかったのか俺は無意識に美味しいと嘘を着いていた。


Aは少し間を開けて何が面白いのか笑だした。


『少年、こっちにおいで』


そう言われた俺は朝の出会った頃の警戒心はどこに行ったのやら当たり前のようにスタスタと彼女の元に歩いて行く。


しゃがんだ彼女は目を愛うし気に細めながら頬に付いた泡を取ってくれた。

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武藤で無糖(プロフ) - みくさん» ヒョエーーー!そう思って頂けて嬉しい限りです。コメント凄いモチベになります!ありがとうございます߹ᯅ‬߹ (2022年11月8日 14時) (レス) @page28 id: 6b6a37760c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - ヤバい...物語の進み方が好きすぎる...設定が好き....面白すぎます!夢主ちゃんのこういう感じ、めっちゃ好きです!! (2022年11月7日 20時) (レス) @page7 id: c22457a4d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:武藤で無糖 | 作成日時:2022年10月23日 15時

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