『呪愛の王』〜元呪詛師、現特級呪物〜【呪術廻戦】

今世 雑巾男 ページ14

2005年 某所


『あ、李ー！これめっちゃ美味しかったよ？飲むー？』

『ンーッマ……マジでこのリップいいな』


現代に合わせた言葉遣いと流行りを体感しているところである。


『…ねぇ、ご褒美に何でもあげるよって言ったけど……李本当にそれでいいの？』

「はい！！！」


青い首輪を嬉しそうにさする李……まァ、いいっか。本人が喜んでるし？


『 うーん、まァいいや。それよりこれなんだろうね？』


今までに感じたことの無い気配を纏った雑巾みたいな男を発見した。


「 見ちゃ行けませんよA様！そんなゴミ屑塵芥見たら腐ってしまいます」

「 ッ…て…ん、し？……」

「はぁぁぁ？誰の事見て虫なんてほざいてやがるこのゴミ屑塵芥糞野郎！！！」

『こらこら、口が悪いなあ』


それにこの雑巾みたいな彼は虫なんて言ってないよ。


『天使って言われたのは初めてかも？どっちかと言うと天女って呼ばれてたしなあ？』

「 ッ！！……天逆ほ、」

『 なぁにそれ？』


とてつもなく嫌な予感がして反射的に目の前の雑巾男を蹴っ飛ばす。


『 ねえ、李……あれ、なに？』

「 申し訳ありません。私の知らない特級呪具かと思われます」


鎖についた小さい小ぶりな刀？


「 ｺﾞﾌｫｯｯ！！！……お″ぇ″……おまえ、一体何者だ？」


雑巾男は一丁前に慣れた仕草で髪をかきあげた。


『 私の名前が知りたいなら君が先に名乗りなよ？』

「 …………………伏黒甚爾」

『 え？答えんの？？』


このまま答えなかったら殺そうと思ってたのに。


『 私はA……う〜ん、愛囁天女って言った方が分か……』

「 A様！それ言っちゃブーなやつです！ブー！！」

『 あ……これがやばいってやつだ？』


やっぱり覚えたての言葉は使いたくなるものだなあ。必死に手をばってんにしながらブー！ブー！と言う李が微笑ましい。

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