10:運痴の決勝戦 ページ10
.
休む暇もなく勝ち上がっていた。なぜ?
普段スポーツなんて全くしない私の身としては半ば諦めに近い姿勢で後半戦は臨んでいたというのに。
どう考えても私以外のメンバーが強すぎる。
気付けば決勝戦まで来ていた。
相手はバレー部が3人もいる。
「Aはとにかく目の前に来たボール上げてくれたらいいからね」
「あとは私らが何とかする」
「…はい……」
何という情けないサポート。
もう残りのクラスは出番がないからこの決勝戦を観戦している。
他の皆が活躍してる中、私は特にアタックを決める事なく前衛に回ってきてしまった。
「A、跳んだらいいから」
「わかった!」
元気よく言ってみたもののバレーなんてテレビでしか見た事無いから本当に分からない。
決勝戦だけルール変更で、10点先取だったのが15点先取に変わった。本当にいらない!
今の得点は12-13で相手が勝っている。
これで決まればリーチがかかる。そんな大事な時に私がブロックなんて。
「1点取るよー!」
「前跳んでとんで!!」
隣が勢いよくジャンプしたのを見て、私も一息遅れて慌てて跳んだ。
その瞬間、私の目の前にいた人も同時に跳んで、確かなボールの打撃が私の左手に当たって落ちた。
バランスを崩してぐにゃりと着地する。
一緒に、私が触れたボールも、相手チームのコートに落ちた。
「Aナイスシャット―!」
「凄いじゃん!! 同点だよこれで!」
「えっうそ凄い私!」
足ひねった、めちゃくちゃ痛い。
思いきりジャンプしたのなんて久しぶりだ。だけどあと2点、どっちが勝ってもこれで終わりだ。
友達に気付かれないように明るく振舞う。
あっという間にもう1点取って、逆転して私達のリーチがかかった。
「あと1点だよー!」
「これ決めたら優勝ー!」
何故か大事な時に、絶対に近くにあるボール。
優勝を左右するボールは、相手のアタックを許そうとしていた。
皆でジャンプして真ん中の手の指先に当たり、大きく右に逸れる。
私が一番近い。ほとんどスライディングみたいな形で、そのボールに手を伸ばしていた。
「上がった! ナイス!」
「決めろー!」
私の上げたボールは、仲間に繋がる。
全てが上手くいって、そのボールはついに相手チームに落ちた。
試合終了の笛が鳴る、
「優勝、3組!」
.
464人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おそらまめ(プロフ) - 彩華さん» 彩華様、感想長らく気づかず遅くなり申し訳ありません。ありがとうございます。きっと二人、これからも沢山言い合いして、言葉にならない愛を育んで、お互いが明日を生きる理由がお互いになっていくんだと思っています。また機会があればどこかでお会いしましょう! (7月21日 13時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - 完結から時間経っているとはわかっているんですけど、これだけは言わせてください。めっちゃ好きです!夢主ちゃんも凛君も末長く幸せになって!これからも他の小説での交信頑張ってください。応援しています。 (7月11日 0時) (レス) @page45 id: 2b870d0ab1 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - mooさん» moo様、コメントありがとうございます!原作で摂取できない分滅茶苦茶に砂糖煮詰めております(^^)楽しんで頂けたようで何よりです。ご覧頂きありがとうございます。 (6月1日 18時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 糖分過多ー!!面白かったです! (6月1日 3時) (レス) @page45 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ルアさん» ルア様、コメントありがとうございます!大切に作ったので、そう言って頂けて作品も作者同様喜んでおります。こちらこそ、作品を応援して頂きありがとうございます! (2023年4月19日 14時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おそらまめ | 作成日時:2023年3月27日 18時