第217話 ジェネシスのパワー ページ18
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「…………ちゃん、Aちゃん」
ベンチでぼーっとしていたAに秋が声をかけた。
Aは慌てて顔を上げた。
「あ……なんだ？」
「大丈夫？ またぼーっとしてるわ…」
「だ、大丈夫だよ。少し考え事してただけだ……」
Aはそう言いながら秋から目をそらした。
秋は眉をひそめ、Aの顔をのぞき込んだ。
「……Aちゃん、目の下に隈ができてるわ」
Aはびくりと肩を揺らした。
「昨日、ちゃんと寝れた？」
「あ……ああ」
「……」
Aは秋と目を合わせないよう顔を背けたまま立ち上がった。
「よし、行くぞみんな！」
円堂たちがフィールドに走っていくのを見て、Aもフィールドへと向かっていった。
全員がポジションにつきホイッスルが鳴ると、雷門のキックオフで、試合が始まった。ボールはAがキープし、前線へと運んでいく。
「っ！？」
その瞬間──ジェネシスの選手に、あっという間にボールを奪われた。その速さに、Aは唖然と立ちすくんだ。
「一之瀬！」
一之瀬も抜かれ、ディフェンス陣も一気に突破された。
「アーク！」
「コーマ！」
「ウルビダ！」
「グラン！」
一気にボールが繋がり、グランがゴールへと攻め上がる。
「いくよ、円堂くん！」
「こい！ゴールは割らせない！！」
グランのノーマルシュートが、円堂へと打ち込まれる。円堂は構えた。
「“マジン・ザ・ハンド”！！───ぐあっ！！」
──その瞬間、円堂のマジン・ザ・ハンドを打ち破って、グランのシュートがゴールネットへと突き刺さった。みんなの顔が衝撃で歪む中、グランはぽかんとしている。
「………入っちゃった」
マジン・ザ・ハンドが簡単に破られたことで、みんなは唖然としている。
「な、なんてパワーだ…これが“ジェネシス”のパワー…！でも、負けない！もうゴールは許さない！」
「それでこそ円堂くんだ！」
グランが笑った。
ボールは再びジェネシスのウルビダに渡った。彼らの速さに、誰一人としてついていけない。
「グラン！」
「いくよ、円堂くん！」
「今度は止める！！“マジン・ザ・ハンド”！！」
──しかし、またもボールは円堂ごと吹き飛ばし、ゴールネットへと突き刺さった。
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作者名：無名 | 作成日時：2022年10月5日 10時
