第236話 堅苦しいのは抜きでよろしく ページ37
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「すっげぇ〜〜〜〜！！」
「さ、遠慮なく食え！」
綱海が捌いた刺し身たちを見ながら、みんなは目を輝かせた。
「いっただきまーす！！」
「うめぇ〜！」
「やっぱり取れたては鮮度が違うわね！」
「うわ〜〜っ！！わさび〜〜〜！」
「うっしっしっしっ！！」
「こら！またやったな！！待ちなさい！！」
賑やかな雷門イレブンを見回して、綱海は笑った。
「お前らどっから来た？どこの学校だ？」
「雷門中だよ。フットボールフロンティア優勝の……って言っても、知らないか」
「ああ、知らねぇ！」
円堂は声を上げて笑った。塔子が立ち上がり、綱海と向き合った。
「ありがとう、綱海」
「ん？」
「バタフライドリームが打てたのは、あんたのおかげだ」
「ちょ、それうちのおかげやろ？」
リカが苦笑いしながら言った。
「そっか。なんだか知らないが、役に立ったんなら、よかったな」
「ああ！」
二人が握手をすると、リカが立ち上がった。
「なあ綱海はこの島の中学なん？」
「いや、ここにはサーフィンに来てるだけさ。住んでるのは沖縄だ」
「へー、年いくつなーん？」
「15」
「15歳か！勝ち気な塔子やったら年上がええかもなぁ！……ん？どうしたん？みんな……」
ぽかんとしているみんなを見回して、リカは首を傾げた。
「じ、15歳ということは……さ、3年生？」
「ん？言わなかったっけ？」
綱海がきょとんとすると、みんなは立ち上がり、背筋を伸ばして綱海を見た。
「あ、あの……すいません。知らなかった……ものですから……年上だった……でしたとは……綱海さんが……」
「いいっていいって。そんなこと海の広さに比べたらちっぽけな話だ。タメ口で頼むぜ」
「え、うん……」
「おいおいノリが悪いなぁ。堅苦しいのは抜きでよろしく。な！」
綱海が気さくに笑って円堂に手を差し出すと、円堂は綱海を見つめ、頷いて笑った。
「改めて、よろしくな、綱海！」
「おう！」
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作者名：無名 | 作成日時：2022年10月5日 10時
