コウキ ＊ヤンデレ ページ39
それから二ヶ月程、私はあのゲームで遊ぶことが出来なかった。ただのバグだと割り切ってしまえばよかったのに。なにか恐ろしい感じがして中々アプリに戻れなかったのだ。
だが、そろそろバグも修正されてるだろう。
久しぶりに遊ぼうという気持ちでゲームアプリを開いた
「ひっ…ぁ、な、んで…」
目の前の光景を疑った。元々NPCが居た場所に赤黒い液体が床を濡らしている。センター内は照明が切れているかのように薄暗い。明るいBGMにはノイズが走っており途切れ途切れに人の呻き声のようなものが聞こえる。
こんなのバグなんてものじゃない。
まるで本当に生きた相手が荒らしたような惨状だった。
そして
「Aずぅーっと待ってたんだよ」
優しい笑顔で笑うコウキくんの服には血溜まりと同じ色の液体がベッタリと染みている。
そして、彼の右手に握られている物は先端が血で汚れたナイフ。
ゾクリと肌が粟立つのと同時に全て気づいてしまった。彼がただのゲームキャラではないこと、そして数々の不具合の原因を。
「全部、あなたがやったこと、なの？」
「うん、そうだよ」
当然とばかりに彼はあっさりと認めた。
「A、君が悪いんだ。僕は初めて見た時から
Aのことが好きだったのに。僕の気持ちにも気づかないで」
「僕だけを見て欲しかったのに。それなのに僕から離れるなんて」
「絶対に許さない」
私を見てニタリと笑った。目はクレヨンで塗りつぶしたかのように一切光が点っていない。口も両端を無理やり吊り上げたように歪だ。
彼は本気で私のことが。
急いでゲームを閉じようと画面に触る。
「うそ、ど、して動かないの…」
「また逃げるの？」
「そんなの險ｱ縺ない」
「險ｱ縺輔↑縺?ｨｱ縺輔↑縺?ｨｱ縺輔↑縺?ｨｱ縺輔↑縺?ｨｱ縺輔↑縺?ｨｱ縺輔↑縺?ｨｱ縺輔↑縺」
「縺薙▲縺｡縺ｫ譚･縺ｦ」
震える指で画面を触っても全く動かない。
BGMのノイズと呻き声はどんどん大きくなっていく。どうしてどうしてどうしてどうして。こわいこわいこわいこわいこわい。
「縺薙▲縺｡縺ｫ譚･縺ｦ縺薙▲縺｡縺ｫ譚･縺ｦ縺薙▲縺｡縺ｫ譚･縺ｦ縺薙▲縺｡縺ｫ譚･縺ｦ縺薙▲縺｡縺ｫ譚･縺ｦ縺薙▲縺｡縺ｫ譚･縺ｦ」
すると彼は思いついたように笑った。
「こないならこっちがいくね」
遠くの部屋で鏡の割れる音がした。
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みぞれ飴(プロフ) - まぼろし！さん» ありがとうございます！そう言っていただけでとても嬉しいです！！ (2022年1月5日 20時) (
レス) id: 13e620fa4f (このIDを非表示/違反報告)
まぼろし！ - この小説、今まで見たので1番面白いです！特にコウキ君です！ (2022年1月5日 20時) (レス) @page38 id: 4fec785233 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ飴(プロフ) - 出雲(元あやりん)さん» コメントありがとうございます。チャンピオンおめでとうございます！ (2021年12月18日 10時) (レス) id: 13e620fa4f (このIDを非表示/違反報告)
出雲(元あやりん) - あぁ、ダイゴしゃん！好き。付き合ってくださぁぁぁぁぁぁい！！(((お前はチャンピオンだから無理だろ！ダイゴしゃんに勝ったからな。←姉弟で、チャンピオンになりましたw (2021年11月16日 20時) (レス) id: afcb507146 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ飴(プロフ) - k.kさん» ありです！ (2020年11月1日 18時) (レス) id: d3c8e877af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぞれ飴 | 作成日時：2019年10月11日 22時
