朝倉風斗の婚約者ですが？

vol.06 sweet tears ページ7

｢なんで泣くの？｣


僕の下にいるAは瞳から涙が溢れている。
痛くしたつもりはないけど…

不安に襲われながらも言葉を待っていた。



『…っ、ごめん…幸せなの…
風斗と触れ合えて…
ずっと…会いたかったのに
私から、離れた…のに…』



｢あの時は..仕方なかったんじゃないの。
本当は頼ってほしかったけど。
でも今は僕の腕の中に居るわけだから。｣



顔を近付ければ、ぎゅっと瞳を閉じている。
更に溢れた涙を舐めれば、驚きで目を開けてる。



｢しょっぱい。｣


『な、な、舐める!?』


｢泣いた顔もそそるけど、快感に歪む顔をもっと見たいんだけど。｣



耳まで赤くしてるし。
4年間、他の男との関係は無さそうだね。



｢余計なことはもう考えなくて良いから。
僕がアンタの事、守ってあげる。｣



…………


眠るAはさっきの涙が嘘かのように幸せそうな顔をしている。


4年…

正直見付けるのにもっと時間が掛かる、そうなる覚悟でいた。



幸せそうな人間を見て諦めたくなる日もあった。


でも、気づいたんだ。
Aじゃなきゃだめだって。


アンタのためだったらいくらでも強くなれる。


今は一人だった4年を悔やんで泣けば良い。


これからは共に歩んでいくから。

どんなことがあっても守ってあげるから。

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