貴女の絶望定義1 ページ12
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頭に包帯を巻かれ、ベッドに眠っている江ノ島。
その近くでパイプ椅子に座っているのは、戦刃と風宮。
ここは学内の病院。
奇跡的に防犯カメラにも映らず、警備員にも見つからず脱出出来た風宮は、自分が置かれている現状を戦刃から聞いて把握した。
退学処分とされ行方不明扱いになっていて、監_禁生活を送ってから１ヶ月以上経っているという事。元から自身に興味がないのもあるけれど、並大抵な事では動じないせいか そうなんだ の一言で済ましてしまうほど順応が高い。超高校級の軍人でも驚かれてしまった。
しまいには「何者なの？」と聞かれたので「貴女は名前すら言ってないでしょ」と風宮が返せば、慌てた様子で色々教えてくれた。
服も戦刃が予め用意してくれ、寝巻きから制服に変わっている。カムクラプロジェクトの関係者にバレないように帽子で身元を隠しているが、いつもの巻いている白マフラーが無いのは寂しい。
擦れたように跡がついている自分の首を無意識に触りながら、風宮は江ノ島を眺める。
「……可哀想だね」
「え？」
呟くと、戦刃がこちらを見る。
パイプ椅子から徐に立ち上がり、風宮は江ノ島の頭に手を置いて、優しい手つきで撫で始めた。
「……絶望が未知だなんて言ってたけど、永遠とその心は絶望で満たされる事はないんだろうね」
「それは……」
「そうでしょ？……彼女にとっての絶望とは、目的でも主義でも生き様でも本能でもなくて、彼女が江ノ島盾子である為の定義付けなんだもの」
戦刃は何も言わなかった。言えなかったのかもしれない。
誰よりも近くで見てきた姉が、妹がどういう人間なのかぐらい理解しているから。自分が言ってる事が正しいから、戦刃は言い返す事が出来なかったのだ。
「……希望と絶望。正直、そんなもので争う人ってくだらないと思うんだ」
「く、くだらないって……風宮さんだって半分絶望してるんでしょ？」
苦しげに歪んでいた江ノ島の寝顔が柔らかくになったのを確認して、頭から手を離す。
ふう と長く息を吐きながら、戦刃の方を見る。
「……絶望する事って悪い事かな。絶望が絶対的な悪と呼べるのかな？」
そう言うと、戦刃は太股の上に置いていた両手を拳を作り「えっと……ご、ごめんね」と何故か謝られた。
風宮は気にする様子なく、話を続ける。
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サティラス - 一気見しちゃいましたけど、もう書かないんでしょうか？お返事を待っています。 (2021年9月15日 0時) (
レス) id: ebe0dca163 (このIDを非表示/違反報告)
サティラス - めちゃんこ面白い…これ、もう終わりなんですか？出来たら更新してくれると嬉しいです。いつでも待ってます！ (2021年9月11日 18時) (レス) id: ebe0dca163 (このIDを非表示/違反報告)
香澄 - 更新してほしい、てかしてください！ダンガンロンパ好きなので是非お願いします！ (2019年9月18日 20時) (レス) id: a1bb486b34 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - とっても面白いです！けど、お、終わり何ですか……？終わってないならすいません！イラストも大好きです！自分のできるペースで更新してほしいなって思います！ (2019年8月17日 0時) (レス) id: bf71e70fa1 (このIDを非表示/違反報告)
誰そ彼(プロフ) - 今日知ってから怒涛の勢いで読み進めてしまうほど魅力的な作品でした…！これからの更新を楽しみにしています。是非頑張って下さい！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: a730714479 (このIDを非表示/違反報告)
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