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十九 ページ20

あっという間にご飯を食べ終わって、ちょっと休憩。

頭の中で曲を何度もリピート再生し続けて、イメージトレーニングをする。

翼が歌って、私が歌って、一曲ただ踊ってから、最後、歌いながら、踊って……本当に、本当に選曲おかしいと思う。いや、自由って言われたけどさ、センスおかしいよ。

「Aちゃん?何か失礼なこと考えてるでしょお」
『うん。選曲センスが個性的だなって』
「ひどくなぁい?!」

相も変わらずの稽古場の隅っこで、口笛の真似をして、そっぽを向く。

つんつんと右わき腹をつつかれながら、イメージし続ける。気楽に、肩の力を抜いて……

『……なるほど』
「え?何が?」
『わかった』
「いや何が?!」

あの場で発表するのを想像している最中、ふと、どこからか湧いて出てきた、考え。

ぽかんと口を開ける翼の肩を掴んで、世紀の大発見を発表する。

『教室のテンションでやりゃいいんだね!』
「ん?!まー確かに力抜いてやれるね!!」
『肩の力抜く、イコール、いつも通り!』
「ソダネー!!」

微妙な反応をする翼を気にせずに、ばんばんと肩を叩いてやる。

世紀の大発見、大発見、すばらしい、と自画自賛しながらチョコを取り出した。うん、おいしい。

「んーー?まぁ、そう、だね?大事だね?肩の力抜いとこうね???」
『ん!!』

疑問符が大量発生しているらしい翼の独り言に、いつもより少しテンション高めに返事を返す。

選ばれようが、選ばれまいが、いつものように、取り繕わずにやればいい。多分、そういうことだ。と、思う。

ものの珍しくハイテンションで稽古場を見渡すと、ぱちりと、さっきのお兄さんと、目が合った。表情筋は動かないけど、ちゃんと目を合わせて、会釈した。

『意外と、つば……チェバの定理の申し子、チェバ子の斬新なセンスが通じるかも』
「うん?!言い直す必要あった?!」
『意外性、斬新性?』
「もー何の話ぃ」

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Canon(プロフ) - * haru *さん» コメントありがとうございます!ご期待に沿えるよう、頑張ります! (2020年8月1日 7時) (レス) id: 930afbe674 (このIDを非表示/違反報告)
* haru *(プロフ) - はじめまして。こちらの作品を拝見してとても幸せな気持ちになりました…。テンポのいい主人公二人の会話が大好きです!お忙しいとは思いますが、どうかお体に気をつけてこれからも頑張ってくださいませ!応援しております(*^^*) (2020年7月31日 1時) (レス) id: 91042359bd (このIDを非表示/違反報告)
Canon(プロフ) - なゆかさん» コメントありがとうございます!遅い更新と拙い文章ではございますが、楽しんでいただけているのなら幸いです! (2020年7月5日 21時) (レス) id: 930afbe674 (このIDを非表示/違反報告)
なゆか - いつも楽しんで読ませてもらっています! (2020年7月5日 19時) (レス) id: d46d9b1c0c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Canon | 作成日時:2020年6月25日 7時

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