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「もしかしてあの子もメンバー?」
『え…誰だろう…?』
もう一度中を覗いて話し合い中の子供たちを見渡す。
誰かいない人…あ、大河がいない。
『その子も多分メンバーだと思います』
「そうなんだ。じゃあ何でみんなと一緒じゃないんだろう」
『さぁ…』
「なんかビニール袋手にぶら下げてたけどね」
首を傾げた時、階段から誰かが上がってくるのが見えた。
よく見ると、手にビニール袋を持っている。
『あ、』
「ん?」
小牧教官も私の目線の先を見ると、「あ、そうそうあの子!」と声をあげた。
『大河くん、どうしたの。もうみんな話し合いしてるよ?』
「あー、おれ話し合いとか苦手だから。自分の意見とか巧いこと言えなくてめんどくさいし。だから雑用係に回ろうと思ってジュース買ってきた。こんなことくらいしか役に立てないからさ」
「へぇ…偉いなぁ」
『…ねぇ大河くん』
ふっと閃いた。今のみんなに必要なのは彼自身だ。
私は大河の手を引き、扉を開けて勢いよく中へ入った。
話し合いをしていたみんなの動きがぴたりと止まる。
『みんな聞いて!…大河くん、さっき言ったことをもう一回』
嫌そうな顔をしている大河をなんとか前に出し、尋ねる。
『大河くんは、何で雑用係に回ろうと思ったんだっけ?』
「え、だから。それくらいしかおれ役に立てないから」
『違くて、他のやつ』
「えー…話し合いとか苦手だから」
『どうして苦手なんだっけ?』
「何だよもー…さっきも言ったじゃん。自分の意見巧く言えないからめんどくさいんだよ」
”めんどくさい”折口さんが言っていたキーワードだ。
何かがピンと来たのか、悠馬は真顔になった。
『折口さん、めんどくさがられるからよせとは言ってないわよ』
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アオイ(プロフ) - みさこさん» わあああ!!ありがとうございます!!返信遅くなってすみません、仲良くしてください!! (2020年3月9日 11時) (レス) id: deeb297800 (このIDを非表示/違反報告)
みさこ(プロフ) - 先程フォローさしていただきました。よろしくお願いします。V6大好き(女子)です (2020年3月5日 1時) (レス) id: 96340430ed (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - かなとさん» ご指摘ありがとうございます。消したつもりになってました。申し訳ございません。すぐに消させていただきました。 (2019年8月3日 23時) (レス) id: deeb297800 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年8月3日 23時) (レス) id: 9ac913b464 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kuroki
作成日時:2019年8月3日 23時