203.辻褄 ページ17
〜A side〜
Alphysがお風呂に入る、という口実で逃げた後、私達は念の為とメアドを交換した。ここからは少しペースを上げて進まないと、この辺りで泊まれるところと言えば、MettatonのHotelしかないから、夜までにそこにたどり着けなかったら今夜は野宿、ってことになる。いくらここがHotlandとはいえ、地下世界の夜はとても寒い。何も対策しないまま野宿なんてすると、下手すれば命に関わってくる。だから、絶対に野宿だけは避けなきゃ。
そう思いながら進んでるのに、私達は予想外の妨害を食らう羽目になっていた。その妨害のうちの一つが、Friskの携帯から鳴り響く通知音。AlphysがSNSに何かを投稿する度にﾋﾟﾛﾘﾝなんて大きな音が鳴るから、正直に言っちゃってちょっとうるさい。
二つ目の妨害は、Alphysの電話。かけるタイミングがいっつも悪くて、パズルを解き終わった頃にかけてくるから、まぁ…足止めになっちゃってるわけで。
そして三つ目、これが一番厄介。それはMettatonのショー。クッキングショーなんて名目でFriskのソウルが狙われるし、なんか無駄にFriskが大変な目に遭わされるし……そう、Friskが。私には驚くほど被害が飛んでこないし、何より標的にすらされない。流石に気付いたよ、これは何か仕込んでそうだなーって。
Frisk｢……よし、大丈夫。ねぇA、あの建物は何？｣
Friskが決意の光に手をかざし、彼の体を優しい金色が包み込む。手をかざすことで疲れごと吹き飛んだらしい彼は、遠くに見える巨大な影を指さしながら私に問いかけてきた。
A｢あれはCOREだよ。地下世界のエネルギー源って言ってもいいかな｣
＿＿あれを作ったのはAlphysの前の国王直属の博士で、とても頭が良かったんだよ＿＿
そう、頭の中で文章を組み立てたけど、私はそれを口にはしなかった。だって、おかしいじゃない。なんで私が、その前任の博士がとても頭が良かっただなんて知ってるの？第一私はAlphys以外の博士を見たことがないのに。
ぞわっと、背筋に悪寒が走った。まるで見えない何者かに背中を撫でられたかのように。……そう、優しさの欠片もない冷たい手で、背中を撫でられたかのように。
A｢……詳しくは、私もよく知らないんだけどね｣
とりあえずいつもの笑顔を浮かべてこの場を誤魔化した。だけど、私はこの時気付いてしまった。
……この世界の辻褄が、少しずつ崩れていっているということに。
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チョコレート - 面白いです！ 更新頑張ってください！ 待ってます！ (2020年9月9日 21時) (
レス) id: 20b2e0e9fd (このIDを非表示/違反報告)
Suwaro - アンダーテールの小説の中でコレが一番好きです！頑張ってください！！！ (2019年4月7日 21時) (レス) id: 1a4b63d778 (このIDを非表示/違反報告)
御影双葉(プロフ) - 零ノ花さん» 零ノ花さんお久しぶりです！一気読みしていただけて嬉しいです！ありがとうございます！！ (2019年3月20日 13時) (レス) id: 2bd19868a8 (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - 面白くて一気読みしちゃいました！更新頑張ってください！ (2019年3月20日 2時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)
御影双葉(プロフ) - kさんさん» ありがとうございます！更新頑張りますので、どうぞよろしくお願いします！！ (2019年3月19日 18時) (レス) id: 2bd19868a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御影双葉 | 作成日時：2019年1月1日 1時
