【ジョジョの奇妙な冒険】Fiore velenoso 【ジョジョ５部】

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後日

任務を終えたAの元へネアポリス地区内のアパートの一室の鍵と新品の三台のパソコン、そして車一台分の鍵が届けられた

恐らくジョルノの計らいだろう

アパートはパッショーネの息のかかった者が家主のため一室くらい余裕に調達できたようだ

ネアポリスにあるパッショーネの本部へ戻ったAは今夜もバールで呑むか？と笑うミスタに車の鍵を手渡した

「お？何だよこの車のキーは」

「なんだと思う」

Aがそう聞き返すと分かったような顔をしたミスタは少し顔を歪めて了解、と呟いた

Aはミスタの側を通りかかったフーゴにも鍵とパソコンのことを伝え、部下であるシーラEにアパートの部屋にパソコンを設置するよう頼んだ

「シーラE、頼んだよ。私が機械関係に詳しくないばかりに頼んでしまってすまない」

「いえ、A様の仰せのままに」

「フーゴに頼もうとしたのだけれど、任務と重なってしまったらしくてね」

すぐに設置してきます、と深々と礼をしたシーラEにAは軽く手を振って自室の椅子に腰掛けた


(アパートに籠って敵の情報を集めろ＿ということか)

ブチャラティのチームにいた頃もフーゴとブチャラティの三人で事件や問題事の調査なんかをよくやったな＿

結局、あの途中でやり残した調査はどうなったんだろう

Aはジョルノが入団する前日のことを思い出し、過去に思いを馳せた

＿

事件の調査を切りの良いところで中断してチームの皆で人肉の話をしながら食事して

ブチャラティが帰って来て、『涙目のルカ』の話題になり

かたぎの人間の依頼、そしてスコリッピというスタンド使いとの戦い

涙目のルカの調査から帰って来たブチャラティから聞いた新入りの話

そして翌日のジョルノとの出会い


(全てがなるべくしてなったような＿運命を感じるな)


Aは以前から犇々とと感じていた"運命"という名の抽象的な感覚を不思議に思っていた


(全ては繋がっていたのだ、私たちが武器チームとこのような境遇になったのも全て)

外はしとしとと雨が降っている、窓ガラスがAの顔をじんわりと映した

不意に最後に見たブチャラティの亡骸を思い出して涙が一粒目から流れる

まるで天から注ぐ雨垂れのように


ミスタに今夜はバールで呑むよりエノテカの気分だと言い直そう、とAは部屋を後にした

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