【ジョジョの奇妙な冒険】Fiore velenoso 【ジョジョ５部】

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ミスタは一人の女の載った写真を手に取る

「女だ、まだ若ェんじゃあねーの？」
「本当だ、ムーロロ。コイツも仲間なのか？」

ミスタとフーゴの問いかけにムーロロはぐっ、と眉をしかめた
それを見逃さないようにAが問い詰める

「どうしたの？この女、結構厄介な感じ？」
「A様の仰る通りですよ。この女まぁそれなりに頭もイってましてね。ジャンキーですよ」

タバコを一本取り出して吸うムーロロに向かってフーゴが嫌そうな顔を向ける

「やっているのか？麻薬チームは僕たちが」

「他の組織じゃあねーの？別の組織何か手厚く取り扱ってるだろうからよ。未だうちの中でも麻薬の浄化は滞ってるくらいだからな」

かつて彼らのリーダーであったブチャラティは麻薬の撲滅を願っていた
それ故にジョルノの黄金のような夢に賭けると言ったくらいなのだから

ジョルノがボスへと就任してからは内部の麻薬チームを解体させたり等、組織の浄化が著しく行われていたわけだが未だ全排除には至っていないというのが現状だ

「このジャンキー娘もスタンド使いだな」
「えぇ、何の能力かは他のメンバー同様分かっていませんが。フローデ・ソットという小娘です」

そしてムーロロから他にフィルマという殺し屋の男も仲間であると知らされた

計四人、全員がスタンド使いだ
フーゴは危険な戦いになるだろう、と固唾を飲む

「まずは襲ってきたジーノ・ダバンディを倒すのが先決だぜ。ムーロロ、オメーのスタンドで行き先を教えてくれ」

ミスタがそう言うとムーロロは徐にトランプ達を呼び出す

「オメーら仕事だぜ、ミスタ様達の前で素敵なショーを見せてやれッ」

ムーロロがドラムロールの口真似をしながらミスタ達三人を煽る

ミスタは陽気なその能力を気に入っているようでヒュゥと口笛を吹いて待ってました、と言わんばかりに盛大な拍手を送る

Aとフーゴはチラと見合うと苦笑いしながらその陽気な劇団に拍手を送った

「だららら、だだん、だだだん...ッ！」

ゆっくりとした動作で帽子を上げていくと、みるみるうちに立派なトランプタワーが積み上がっていく

ムーロロが帽子を戻すとタワーがひとりでにうにょん、と動いた

いつの間に手足の生えたトランプカード達が手と手を取り合いくるくると陽気に踊り始める

「よッ！待ってましたァ〜」

ミスタは笑顔で拍手を続ける

「盛大な拍手喝采ありがとォー！ボ、ボ、ボクらは劇団〈見張り塔〉ォ＿＿ッ！」

カード達の愉快な劇が開演した

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