35話 探偵たちの夜想曲 ページ36
・
車を走らせ、マンションに辿り着いた。
エレベーターで7階まで上がる。
「こりゃいいマンションですな。家賃、結構するでしょう?」
「ええ、まあ。でも親の脛を齧って兄と二人で住んでいたので。…あの、もうこの辺で結構ですよ?誰も待ち伏せしていないことはわかりましたし」
部屋の前まで来ると、樫塚さんはそう切り出したが…。
「あああ!トイレ行くの忘れてた!どうしよ!漏れちゃうよ!お姉さん!トイレ貸して!」
急にコナンが慌てだした。
これは、無理矢理でも部屋に押し入ろうとしているらしい。
やはりこの部屋に何かあるのか?
「お願い!我慢できない〜!」
「え、ええ、ちょっと待ってね」
樫塚さんは部屋の鍵を取り出し、施錠を解除した。
扉が開いた瞬間感じた、僅かな異臭に眉を寄せる。
この匂い…、まさか…。
「トイレは玄関入ってすぐ右横だから」
「うん!ありがとう!」
コナンは靴を脱いでトイレに一直線。
「あの、すいません、実は自分も我慢してまして…」
「俺も…」
安室さんと毛利さんもついでとばかりに便乗した。
安室さんは、部屋の違和感を覚えた可能性が高いが。
「じゃあ、皆さん少し寄っていきます?お茶ぐらいしか出せませんけど」
おそらくこの誘いがコナンと安室さんの狙いだったんだろう。
俺達は靴を脱いでお邪魔した。
「すみません、圭さん」
「いえ、しょうがないですよ」
リビングに案内されると、中は随分荒れていた。
ゴミはそのまま、食べた食器もそのままだ。
「夕べは宴会か何かだったんすか?」
「はい。大学時代の友人が数人集まって…すいません、散らかってて…」
兄を亡くしたばかりの人間が、友人を集めて宴会…?
『…!』
気配を感じ、廊下に繋がる扉を見つめる。
今のは、コナン…?
やっぱりトイレは口実で、何かを探ろうとしているのか…?
・
2474人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
096 - ゆずりはさん» 返信遅くなってしまいすみません…!2週目嬉しいです!改めて楽しんで頂けると幸いです! (12月5日 20時) (レス) @page23 id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - 2週目読ませて頂きます!黒瀬くんめちゃくちゃ好きです!♡ (11月14日 20時) (レス) @page2 id: c114e89f61 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はるさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません!2回目読んでいただきありがとうございます!!ハロと出会うのは444話です! (2022年9月13日 15時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
はる - すごく面白いです!!!ストーリー読みやすくて、2回目を見てます((笑。 聞きたいことがあって、ハロと出会うシーンって何話でしたっけ?思い出せなくて、、、 (2022年8月11日 17時) (レス) id: 9c65c52711 (このIDを非表示/違反報告)
096 - みこさん» ありがとうございます!とても長いですが、ぜひ楽しんでください! (2019年8月21日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:096 | 作成日時:2019年1月30日 17時